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マイクロソフト・トゥディ 第77回

日本マイクロソフト協力! 日本MS版流行語大賞は?

2013年12月26日 12時00分更新

文● 大河原克行

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 2013年の日本マイクロソフトは、重要な製品投入が相次いだ1年となった。自社ブランドのタブレット「Surface」の国内発売に加え、“新しいOffice”とする「Office 2013」や、クラウドOSに位置づける「Windows Server 2012 R2」、そして、ラピッドリリースの取り組みによって投入された「Windows 8.1」など重要製品が目白押しだった。

「Windows 8.1」は、深夜発売も行なわれた

 もちろん、それだけではない。デバイス&サービスカンパニーへの転換、スティーブ・バルマーCEOの退任計画の発表、ノキアの買収発表など、世界的に見ても話題には事欠かない1年となったのだ。そんなマイクロソフトの1年を表現する言葉を、日本マイクロソフトのコーポレートコミュニケーション部の協力を得て集めてみた。題して、「日本マイクロソフトの2013年 流行語大賞!」である。

デバイス&サービスカンパニー

 マイクロソフトが全世界で打ち出した方針が「デバイス&サービスカンパニー」。ソフトウェアに最適化した自社ブランドとパートナーブラントによるデバイスを投入するとともに、ソフトウェアをクラウドなどのサービスとして提供することを主軸とする企業体質へと転換を図る。

 米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは、「私がマイクロソフトに入社する際、両親にソフトウェアの会社に入社すると話したが、その時代から大きく変化している。イノベーションを実現するには、マイクロソフトはデバイス&サービスカンパニーにならなくてはならない」とする。自らのCEO退任計画を発表したのも、マイクロソフトが転換期にあるという点が背景にありそうだ。

米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOが、「デバイス&サービスカンパニーにならなくてはならない」と宣言。自らのCEO退任計画も発表した

V2

 日本マイクロソフト社内では、今年半ばから「V2」という言葉が使われ始めた。これは、バージョン2の意味。つまり、Surfaceの第2世代を指す言葉である。そして、これまでは使われていなかった「V1」という言葉も社内使われ始めた。V1はまさに初代Surfaceを指す。樋口社長によると、V2の売れ行きはV1を上回っており、一部製品では品薄になっているという。Surfaceは7月以降、日本でも売り上げ予算がついている。

日本マイクロソフト 樋口社長によると、Surfaceの第2世代にあたる「V2」の売れ行きはV1を上回っており、一部製品では品薄になっているという

これまでのタブレットは、“タブレット未満”

 Surfaceに関して、大賞候補となる言葉はいくつもある。その中でも刺激的だったのは、先行するタブレットを指して、日本マイクロソフトの樋口泰行社長が発したこの言葉だろう。樋口社長はSurfaceの発表会見で、「Surfaceが本当のタブレット。これまでのタブレットは、タブレット未満である」と言い切った。

「フェーズ1」の競争には参加できなかったが、
「フェーズ2」からは堂々参加する

 従来のiPadを中心としたタブレット競争を「フェーズ1」と位置づけ、そこにはマイクロソフトは参加できなかったと樋口社長。だが、これからは、「フェーズ2」「フェーズ3」の競争が始まり、そこにマイクロソフトはSurfaceを投入すると語る。フェーズ2の競争は、パソコン機能とタブレット機能を持った製品が優位だとする。つまり、Windowsデバイスが最適であるとし、「この市場において、マイクロソフトは、しつこく、ジワジワやっていく」とも宣言する。

樋口社長は、Windowsデバイスが最適であるとし、「この市場において、マイクロソフトは、しつこく、ジワジワやっていく」とも宣言した

「PCのようなタブレット」と「タブレットのようなPC」

 マイクロソフトでは、「Surface RT」「Surface 2」を“PCのようなタブレット”、「Surface Pro」「Surface Pro 2」を“タブレットのようなPC”と表現する。その言葉が意味するのは、“iPad対抗となる製品はSurface RT”という点だ。一方、タブレットのようなPCとなるSurface Proは、OEMベンダーが発売するPCと一部対抗となる。その点からも、積極的な値引き戦略はSurface RTを中心に展開していることが分かる。日本マイクロソフトでは、Windowsデバイス全体の盛り上げに注力し、Windows陣営としての競争力強化を狙う。

日本マイクロソフトでは、Surface RTを「PCみたいなタブレット」と位置づける一方、Surface Proを「タブレットみたいなPC」としている

Surface RTを中心に積極的な値引き戦略を展開

「投入に向けて、引き続き努力していく」

 今年は記者会見や取材のたびに、日本マイクロソフト幹部に向けて投げかけられた質問が、「Windows Phone 8」の国内投入についてだ。その答えとして発せられるコメントが、「投入に向けて、引き続き努力をしていく」という言葉だった。最近では、枕詞として「いつもと同じ回答になりますが」というフレーズがつくようになった。はたして、2014年はこのコメントに変化があるのか。

特に法人用途で期待される「Windows Phone 8」の国内投入。2014年はコメントに変化はあるだろうか

新しいOffice

 2013年2月に発売したOfficeの新製品は、Office2013とは呼ばずに「新しいOffice」、「新Office」と呼ぶのが正式だという。「新しい」という表現は、アップルがiPadなどですでに採用していたため、報道関係者の間では混乱はなかったが、その名称が一般ユーザーにまで浸透しているのかというと未知数だ。しかも、アップルは、iPadの最新機種は、iPad Airと製品名を変更。「新しい」という表現はもはや行なっていない。実はマイクロソフトは、Windows 8およびWindows 8.1を総称して「New Windows」という表現を使っている。

2013年2月に発売したOfficeの新製品は、Office2013とは呼ばずに「新しいOffice」、「新Office」と呼ぶ

マイクロソフトは、Windows 8およびWindows 8.1を総称して「New Windows」という表現を使っている

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