検索ボックスに商品名を入力して商品ページを開き、カートに入れて購入ボタンを押す。
文字にすればこれだけの行為だが、ネットショッピングは、ネットを使い慣れない人にとって「やってみたいけどなかなかできない」ことの代表と言われている。グーグル検索で「ネット通販」と入力すると、「詐欺」や「トラブル」といったキーワードが補完されるが、購入以前に「ショッピングサイトが使いにくい」のも原因の一つのようだ。
ショッピングサイトを運営する側としても、せっかく興味を持って商品を探しに来てくれたのに、購入に至らないのは惜しい。とはいえ、サイトのどこが使いにくくて断念したのか分からない。購入した利用者にはアンケートできるが、購入を諦めた人にたどり着く手段がないからだ。
ライブパーソンのサービスは、ショッピングサイトの運営者にとっても、利用者にとっても「渡りに船」なサービスを提供している。ライブパーソンは、いわばネットショッピングにおけるコンシェルジュ(世話係)のような存在だ。例えば、サイトを訪れた利用者の行動を見て、ヘルプページばかり見ているようなら「何かお困りですか?」とチャットを持ち掛ける。ウェブページ閲覧時における利用者の障害を取り除きつつ、購入に導くわけだ。
利用者とのチャット履歴から、サイトの問題が浮かび上がるケースもある。例えば「イメージがつかめない」という言葉が頻出する場合、さまざまな角度から撮影した大き目の写真を載せることで改善できる。また「探しにくい」や「選びにくい」であれば、検索ボックスを目立たせたりボタンを大きくしたりといった対策が打てる。
本誌1月号の特集で紹介したように、日本のEC化率3%と、5%を超える米国に比べて低い。EC業界を取り巻く最新事情はバックナンバーを見てほしいが、今後、米国並みにEC化が進めば、生き残るのはライブパーソンのような第三者の立場で「おもてなし」を提供する企業なのかもしれない。