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マイクロソフトのクラウド反撃は真っ当な正攻法

2013年12月25日 16時00分更新

文● 松下 康之/アスキークラウド

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 インターネットとスマホを活用した日本交通の「日本交通タクシー配車」アプリについて、その裏側を日本マイクロソフトに聞いた。「日本交通タクシー配車」アプリは、日本交通がスマホを使ったタクシー配車を実現するためにマイクロソフトのWindows Azureを使って開発したアプリケーションだ。どうしてAWSじゃないのか?その辺りを開発を支援したマイクロソフトのデベロッパー&プラットフォーム統括本部のエバンジェリスト、増渕大輔氏と畠山大有氏に聞いた。

 クラウドコンピューティングといえば「アマゾンAWS」が当たり前のIT業界界隈の人間にとってみれば、マイクロソフトの反撃策は実に真っ当な方法論であった。

 畠山氏と増渕氏はそれぞれ「クラウドコンピューティングだから、IaaSだから、とそれぞれの仮想マシンをオンプレミスのマシンと全く同じように管理させるのは意味が無い。もちろん、そうしたいアプリケーションもあるだろうがそれでは管理コストは下がらない。またスマホアプリのようにどれだけ利用が拡がるのか読みづらいケースにオンプレミスでシステムを構築するのはリスクが大きい。さらに、Windowsベースのシステムを構築してきた社内のリソースをフル活用出来るのに、『Webだからスマホだから』と言って使えないのでは構築コストが更に上がってしまう。結果的にクラウドに移してもコストは高く投資効果が低いままだ」と語る。クラウド利用は当然として高可用性も確保したい場合には、管理を容易にしつつ素早く開発できることが必須なのだと言う。

 つまりスマホに対応するためにこれまでの人的資産が使えない状況に追い込むのではなく、過去の経験と知見を活用できる選択肢がWindows Azureだと語る。またOSやミドルウエアに必須のセキュリティパッチなどの対応に関してもWindows Azureであれば管理の手間が削減できる。そして何よりもレガシーなシステム(日本交通の場合は既存のタクシー配車システム)との連携するのであれば、実は過去に実績と経験のあるWindowsベースのシステムを選ぶのが妥当であったとその背景を語る。

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日本交通の「日本交通タクシー配車」アプリはWindows Azureを使って開発されたアプリケーション

 実際にこのシステムの構築に掛かった時間は数カ月。アプリ経由の売上が15億を超える結果を残すこととなった。既存の資産活用とスマホ対応という未来に向けての投資をバランスさせた日本交通の「全国タクシー配車」のポイントや、より詳細な情報はアスキークラウドイノベーションコンファレンスで直接ヒアリング出来る。

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