BlackBerryは12月18日、新たに3人の幹部を起用したことを発表した。先に退任した幹部の退任を受けてのもので、3人とも新たにBlackBerry会長に就任したSteve Chen氏の元部下。また、韓国のLGと「BlackBerry Messenger」用アプリのプレインストールを発表するなど、再生にむけた積極展開をアピールしている。
SAPなどエンタープライズ分野で
実績を持つスタッフを幹部として招き入れた
BlackBerryは11月に元SybaseのCEOであるSteve Chen氏を会長として迎え入れ、再出発を図っている。Chen氏は暫定CEOも兼任して戦略のテコ入れを行なっており、11月にはCOO(最高執行責任者)、CMO(最高マーケティング責任者)、それにCFO(最高財務責任者)が辞任した。今回の幹部起用は一部を埋めるものとなる。
新たにBlackBerryに加わるのは、コーポレート開発および戦略的プランニング担当執行バイスプレジデントとしてJames Macky氏、マーケティング担当シニアバイスプレジデントとしてMark Wilson氏、それにグローバルエンタープライズサービス担当プレジデントとしてJohn Sims氏の3人。
Macky氏は業務ソフトウェア大手のSAPでコーポレート開発を率いてきた人物。40社以上の買収を手がけてきたという。Wilson氏は現在通信大手のAvayaでCMOを務めている。その前はSybaseでコーポレート・フィールドマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めた。Sims氏は現在SAPでモバイルサービスを率いている。Macky氏はすでにBlackBerry勤務となり、Wilson氏とSims氏は1月にBlackBerryに加わる。
Chen氏がCEOを務めたSybaseは、2010年にSAPにより買収されている。そのため、Chen氏は一時的にSAPに席を置いていた経緯がある。新たにBlackBerryの幹部となる3氏はすべて、Sybase、SAPでChen氏の元で働いた経験を持ち、Chen氏はエンタープライズ分野のベテランを引っ張ってきた形となる。
LGとの契約はBBMにとって初の主要OEM契約となった。BBMはBlackBerryの人気サービスであるBlackBerry Messengerのアプリで、10月にiOSとAndroid向けに公開したところ最初の24時間で1000万回のダウンロードがあったという。BlackBerryによると中東、アフリカ、インドネシアで人気が高いと報告している。将来的に、音声通話と動画通話機能を追加する予定であることも明かしている。
BlackBerryは17日、フランスの自動車メーカーPSA Peugeot Citroenが「BlackBerry Enterprise Service 10(BES10)」にマイグレーションすると同時に、1万台の「BlackBerry Z10」をフランスとスペインのスタッフ向けに供給することも発表した。