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ハイエンドモデルなら600TBのリストアは8時間でOK!

連携型重複排除で打倒EMCを目指す新しいHP StoreOnce

2013年12月20日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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12月19日、日本ヒューレット・パッカードは2014年のストレージ事業戦略説明会を開催し、HP 3PAR中心のストレージ戦略が大きな成功を収めつつあることをアピールした。また、バックアップ/アーカイブのストレージのラインナップを刷新し、分散型の重複排除技術を導入した。

3PARが牽引するHPストレージの成長

 数多くの製品やテクノロジーを「HP Storage」として統合し、用途に合わせた柔軟な製品選択を可能にする「Polymorphic Simplicity」のビジョンを掲げたHPのストレージ事業。発表会の冒頭、2014年のストレージ事業戦略を説明した日本ヒューレット・パッカード エンタープライズグループ事業統括 HPストレージ事業統括本部 事業統括本部長 福岡英治氏は、3PARを中心した「Converged Storage」戦略を堅持すると共に、バックアップ/リカバリ/アーカイブ(BURA)ビジネス、“シンプルStoreIT”の3分野を推進すると説明した。

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズグループ事業統括 HPストレージ事業統括本部 事業統括本部長 福岡英治氏

 まず、同社がプライマリストレージとして位置づけるHP 3PARに関しては、グローバル・日本でも高い成長が得られたという。福岡氏は、「グローバル前年度比で64%、日本ではグローバルに比べて3倍の185%の成長を遂げられた。これは非常にインパクトのある数字。これほど成長した製品はない」とHP 3PARのビジネスの成長を紹介。他社・自社製品を対象とした乗り換えキャンペーンが好調に推移し、パートナーと協調した販売活動が功を奏したという。

 特に、先日発表した「HP 3PAR StoreServ 7450オールフラッシュアレイ」では、TB単価を50%、レイテンシを25%改善したほか、性能や容量も大幅に改善したという。Viloin MemoryやXtremIO、VMAX(EMC)などの競合に比べ耐障害性やサイト間の連携などで優位に立ち、「オールフラッシュアレイでシェアNo.1を狙える」(福岡氏)という。

オールフラッシュアレイのシェアNo.1を狙う3PAR StoreServ 7450

 また、バックアップ/リカバリ/アーカイブ(BURA)分野に関しては、グローバル/日本とも70%台という高い成長を遂げたとのこと。今回、重複排除対応のバックアップストレージである「HP StoreOnce」の製品を刷新することで、エントリからハイエンドまでラインナップを拡充した。「HP StoreOnceはシングルアーキテクチャで提供できる、業界唯一のバックアップストレージ」(福岡氏)。さらにアーカイブプラットフォーム「HP StoreAll Storage」、テープドライブである「HP StoreEver」も含め、幅広いBURAソリューションポートフォリオを揃え、データ保護や情報活用の課題を解決するという。

第4世代のHP StoreOnceでは重複排除も分散型に

 今回発表されたのはHP StoreOnceの第4世代モデル。エントリモデル「HP StoreOnce 2700」からハイエンドモデル「HP StoreOnce 6500」まで5モデルが投入された。

エントリモデルのHP StoreOnce 2700

 第4世代のHP StoreOnceでは、ハードウェアをHP ProLiant Gen8ベースに刷新し、性能や容量が大幅に向上。日本ヒューレット・パッカード エンタープライズグループ事業統括 HPストレージ事業統括本部 ストレージマーケティング本部 担当マネージャー 諏訪英一郎氏は、「600TBのリストアは他社製品では80時間かかるが、HP StoreOnceのハイエンドモデルであれば8時間で終わる」と語り、EMC Data Domainと比べた性能の違いをアピールした。また、ドロワー型ディスク筐体を採用するシングルノードモデル「HP StoreOnce 4900」も新たに投入された。

日本ヒューレット・パッカード エンタープライズグループ事業統括 HPストレージ事業統括本部 ストレージマーケティング本部 担当マネージャー 諏訪英一郎氏

 ソフトウェア面での特徴は、新たに投入された連携型重複排除テクノロジーである「StoreOnce Calatyst」になる。サーバー側のソフトウェアで重複排除を行なう場合、サーバー側の処理負荷を大きいという弱点があるが、逆にアプライアンスの場合は、重複排除前のデータを送信するために広帯域なネットワークが必要になる。StoreOnce Calatystは、サーバーのソフトウェアとアプライアンスを連携させ、重複排除を分散して行なう。新たにOracle RMANに対応し、Oracle DBからダイレクトにアプライアンスに対して、バックアップしたり、リストアすることが可能になったという。

ソフトウェアとアプライアンスの重複排除のいいとこどりしたStoreOnce Catalyst

 重複排除といえば高いシェアを誇るEMCの「DDBoost」が引き合いに出されるが、AvamarとData Domainという2つの製品・技術から構成されているのに対し、「HPのStoreOnce Catalystは、全モデルが単一テクノロジーで利用できる」(諏訪氏)という。また、ソフトウェア版の低価格な「HP StoreOnce VSA」という選択肢があるほか、デュアルエンジンのハイエンドモデルにおいて高い可用性を持っているのも、大きな差別化ポイントになるとのこと。

EMCのDDBoostとStoreOnce catalystとの比較

 ソフトウェア面ではデータセキュリティも機能した。保存データのAES 256ビットで暗号化できるほか、データの完全消去も可能。さらにVLANタギングにより、物理ポートを複数のサブネットで共有したり、異なるアプリケーションを同一ネットワークに同居させるマルチテナント機能にも対応している。

バックアップとアーカイブは将来的に統合へ

 こうした重複排除ストレージの市場について諏訪氏は、IDCの調査を引き合いに出しながら、「重複排除の導入率は、まだ2割に満たない。導入予定・検討合わせると5割を超える」と今後の市場の伸びに大きく期待する。また、D2Dのバックアップに関しては、テープを使ったレガシーのバックアップからの移行、回線での災害対策、仮想化環境の統合バックアップ、バックアップストレージサービスなどの4つの分野がビジネスチャンスになるとアピールした。

 その他、ペタバイトクラスのデータをアーカイブするためのHP StoreAllも、ゲートウェイタイプの「HP StoreAll 8200ゲートウェイ」や「HP StoreAll 8800 Storage」を追加。高速検索機能である「ExpressQuery」を強化しつつ、ポリシーベースの階層管理、新旧機種をクラスター化することも可能になった。また、OpenStackオブジェクトのSwiftもサポートし、パブリッククラウド向けのアプリケーション開発がより容易になったという。

アーカイブストレージのHP StoreAllもラインナップや機能を強化

 現在、バックアップとアーカイブで異なるラインナップとなっているが、ハードウェアプラットフォームはほぼ共通で、ソフトウェア面での共用している技術が多いとのこと。将来的には両者の統合を見据えており、データ保護や情報活用のための汎用プラットフォームになるようだ。

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