超小型でも実力は十分!オフィスで使いたい

Core i3でしっかり動くA5ファイルサイズの超小型PC「LUV MACHINES mini」

文●エースラッシュ

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 「LUV MACHINES mini」シリーズは、超小型のデスクトップPCだ。省スペースだとかコンパクトだとかいう言葉では表わしきれない本当に「超小型」なのが特徴で、本体だけならば幅26×奥行き151×高さ195mmというA5ファイルサイズ程度になる。VESA取り付けキットも備えており、対応ディスプレーと組み合わせるとまるで一体型PCのように使えるマシンだ。

「LUV MACHINES mini」

 シリーズラインアップは4種。CPUがCeleronかCore i3か、ストレージがHDDかSSDかの組み合わせだ。今回試用しているのは、Core i3+SSDというシリーズ最上位構成の「Lm-mini61S」だ。

外付けHDDより小さな箱形のPC

 箱から本体を取り出した時の第一印象は、とにかく小さいというものだ。本体のみだと重さは約660g。片手で軽々と持てるのはもちろん、あまり丈夫でない棚などにも気軽に置けるサイズと重さだ。軽すぎて、電源ケーブルをきちんと設置しないとケーブルに引っ張られてしまいそうなのが不安なくらいだった。

 本体は小さくとも、キーボードやマウスはきちんと付属している。本体よりもキーボードがずっと大きいという不思議な感覚だ。

 デスクに立てて利用するときは、付属のスタンドを利用して縦置きもできる。棚などに本体を直接置いてもかまわないのだが、スタンドを利用すると非常に省スペースでの設置が可能だ。スタンド取り付けは1つの手回しネジで行なっているため、つけ外しはとても簡単に行なえる。

 本体の広い面は基本的にさらさらした質感になっており、ホコリや指紋が目立ちづらい。デスクの隅に置いておいても汚れる心配はあまりないのがうれしいところだ。

本体のみだと四角い小さな箱という状態

キーボードやマウスなど付属品の方が本体よりも大きいくらいだ

充実したインターフェイスでメインマシンとして利用可能

 超小型な「LUV MACHINES mini」だが、インターフェイスは十分すぎるほどに用意されている。フロントにはUSB2.0端子×4とマルチカードリーダーを配置。大型デスクトップPCでもフロントに4口配置していないマシンが少なくないのに、手元で使いたい周辺機器の接続準備は万端だ。

 背面にはVGA端子、HDMI端子、USB3.0端子×2、有線LAN端子、電源ポート、ラインアウト端子、ラインイン端子が並ぶ。ディスプレー出力方式が2種から選択できること、有線LAN端子を搭載していること、オーディオ端子がコンボジャックではないことなどがうれしいポイントだ。

 光学式ドライブは内蔵しないが、それ以外は全部そろっているといってよいだろう。データのやりとりはネットワークやUSBメモリ経由が一般的であり、プレインストールできるMicrosoft Officeがあれば十分というユーザーならば十分メインマシンとして利用できそうだ。

フロントにはUSB2.0端子×4とマルチカードリーダーを配置

背面にはVGA端子、HDMI端子、USB3.0端子×2、有線LAN端子、電源ポート、ラインアウト端子、ラインイン端子が並ぶ

ディスプレーへの「おんぶ」設置で超省スペース

 「LUV MACHINES mini」にはVESAマウントが標準で付属している。マウントをディスプレーに取り付けるためにはドライバを使ったネジ留めが必要だが、マウントへの本体取り付けはスタンドと同じく手回しネジ1つだ。

 ディスプレーと本体の間には隙間できるよう、マウントには湾曲したパーツが用意されている。ディスプレー側からの熱に影響されることもないというわけだ。また本体に直接触れる部分には振動を抑えるような素材が付いている。

 実際にディスプレーに取り付けると、背面にて背負う形になる。ディスプレーの後ろにわずかにでっぱる形にはなるが、かなりコンパクトな装着感だ。本体を立てて使っているときには背面に向かって電源ケーブルなどが伸びるせいで壁ぴったりに置くことは難しいのに対し、ディスプレーに背負わせると各種ケーブルが左右に出ることになる。ディスプレーの幅に収まる形でケーブルが取り回せるから、見た目もすっきりするのが好印象だ。

VESA規格に対応するディスプレーなら付属マウントが使える

ディスプレー背面から軽く浮いた形で本体の取り付けが可能

小さくとも実力は十分

 「LUV MACHINES mini」試用機の構成は、CPUにCore i3-3227Uを採用し、8GBのメモリと256GBのSSDを組み合わせた構成だ。この手の超小型マシンといえばたいていCeleron搭載機になるのに対して、上位モデルではCore i3が選べるのがうれしい。この構成でベンチマークによる性能評価を行なった。

 Windows 8.1にはWindowsエクスペリエンスインデックスが搭載されていないが、WinSAT.exeを実行した結果からWindowsエクスペリエンスインデックスの項目にあたるもののスコアを紹介しよう。「プロセッサ」の値は「6.6」、「メモリ」の値は「7.5」、「グラフィックス」の値は「4.9」、「ゲーム用グラフィックス」の値は「4.8」、「プライマリ ハードディスク」の値は「8.1」となる。

 グラフィックス機能として、CPU統合のインテル HD グラフィックス 4000を採用しているためグラフィックス系の成績はよくないが、それ以外では予想よりよい結果が出たと感じられる。3D性能を計測するベンチマーク「3DMark」の結果はよくないが、PCの総合的なパワーを判断する「PCMark 8」はそこそこのスコアが出ており、ディスクアクセス速度をはかる「CrystalDiskMark 3.0.2」の結果はよい。

PCの総合的なパワーを判断する「PCMark 8」

3D性能を計測するベンチマーク「3DMark」

ディスクアクセス速度をはかる「CrystalDiskMark 3.0.2」

 実際に使っていると、これほど小さいマシンだとは思えないほどに快適だ。きびきびとよく動き、何も不足を感じない。構成を見ればわかるが、ノートPCとしてごく一般的な構成だ。実力的にも同等で、オフィスマシンとしては十分な力を持っている。外出中に屋外で利用するのではなく、訪問先でディスプレーや電源が借りられる環境ならば、小さなノートPCを持ち運ぶよりもこのマシンを持ち運んだ方が楽だし実用的かもしれない。

 縦置きすると上部に通気口が来るが、間近まで顔を寄せても「ふんわり暖かいような気もする」という程度の風しか出てこない。稼働中の本体を掴んでも、ほとんど熱や振動を感じることはなかった。また、非常に静かなマシンでもあり、棚などに設置して本体が顔の近くにあっても不快感はほとんどなさそうだ。拡張性などを必要としていないならば、「LUV MACHINES mini」はよい選択肢となるマシンだろう。

「LUV MACHINES mini Lm-mini61S」評価機の主なスペック
CPUIntel Core i3-3227U(1.90GHz)
メモリ8GB
グラフィックスインテルHDグラフィックス 4000
ストレージ256GB SSD
通信機能1000BASE-T、IEEE802.11 a/b/g/n
インターフェイスUSB2.0端子×4、USB3.0端子×2、HDMI端子×1、VGA端子×1
カードスロットマルチカードリーダー
本体サイズ/重量幅26×奥行き151×高さ195mm/重量約660g
OSWindows 8.1