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最新技術、最新パーツを活用する極上PC自作 第4回

リビングPCやタブレット/スマホの母艦に最適な小型&省電力PC

2013年12月20日 17時00分更新

文● 藤田 忠

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3フェーズマザーボードでも
効果がある独自省電力機能

 試しに「EPU」をオフにした初期状態と「Power Saving Mode」時の消費電力や動画エンコードに要した時間を計測すると、劇的ではないものの、消費電力は減少している。

EPUのOn/OFFやモードでの消費電力 (単位:W) ←better

EPUモードの違いによるエンコード時間の差(単位:秒) ←better

 構成で使用した「Core i3-4130T」の動画エンコード時の最大CPUコア電圧は、「EPU」オフ時は0.923V程度だったが、「Power Saving Mode」時は0.883Vまでダウン。わずかな差だが、この差が消費電力に影響しているのだろう。

 なお、両モードで動画エンコードを計測したが、なぜか「Power Saving Mode」のほうが、わずかに高速に。誤差の範疇ではあるが、複数回計測しても同じ傾向だった。原因はちょっと謎だが、低消費電力モードでも性能がダウンしないのはうれしい。

 消費電力は使用するCPUやマザーボード搭載のフェーズ数などでも変わってくるだろうが、ASUS省電力機能の「EPU」は是非とも使いたいところだ。

“小型&省電力PC”は
Windowsタブレットの母艦PCに最適

 ノートPCより軽く、常に持ち歩いても苦にならない7&8インチタブレット。なかでも、AndroidやiPadより、大学や会社のPCとスムーズにデータ交換が行なえるWindows8.1を搭載するWindowsタブレットは、続々と新製品が登場中しており、今最も注目を集めているモバイルギアのひとつといえる。

Windows8.1や新型Atom CPUの「Bay Trail」を搭載する8インチWindowsタブレットが続々と登場中。もちろん「艦隊これくしょん-艦これ-」もサクサク動作

 このWindowsタブレットをメインPCとして使うことを考えている来年ひとり暮らしを始める新社会人&大学生も多いだろう。ただ、バッテリー駆動時間に影響するCPUの性能は低めで、内蔵ストレージは64GB程度と少なめ。動画エンコードや写真編集、音楽CDのリッピング&管理といった、CPU性能やストレージ容量が必要な作業では、性能不足をいなめないシーンも出てくる。

 そんな諸問題をサクッと解決できるのが、“小型&省電力PC”を母艦にした環境の構築だ。外出先ではWindowsタブレットで作業し、自宅に帰ってきたら、ネットワーク経由でサッとデータを母艦PCと共有。レポートや報告書の続きを行なったり、翌日聴きたい音楽や動画をWindowsタブレットに保存したりできる。さらにベッドやソファーでゆったりしながら、PCやPS3などに保存してある動画や音楽、録画した地デジを観たりするといった快適なPC生活が可能になる。

フォルダー共有と「Windows Media Player」のメディアストリーミング(DLNA)の設定を行なえば、エクセルなどのオフィスファイルや動画、音楽、写真をWindowsタブレットと共有可能に

HDDレコーダーなどで録画した地デジ番組の視聴には、著作権保護技術のDTCP-IPに対応するDLNAメディアプレイヤーアプリが必須。WindowsタブレットはWindowsストアーから導入だ

もちろん、Windowsタブレットに限らず、AndroidやiOSもアプリを別途導入すればPCとファイルの共有などは可能で、Android端末なら「ES ファイルエクスプローラー」が定番だ

 ちなみに液晶ディスプレーの設置場所が気になる人は、液晶テレビにPCを接続して使うのもあり。逆も可能で、あまりテレビを観ないひとは、PCにUSB接続の外付け地デジチューナーを接続し、PCでテレビ視聴や録画を行なうのもオススメ。そうすれば1台の液晶ディスプレーで、ウェブ巡回やメールをしながら、Windows画面でテレビを観るといった“ながら”作業もできる。

家族みんなで使うリビングPCや
ファイル&メディアサーバーにも!

 液晶テレビや家庭用ゲーム機に、スマホ/タブレットなど、ネットワーク接続があたりまえの昨今。動画や写真、写真なども家族みんなで共有することも簡単に行なえるようになっている。ただ、自分のメインPCを共有してしまうのは、“家族に見られたくない、ファイルもあるから……”、“メインPCはハイスペックだから消費電力が気になる”といったことも。

 そんなときは、“小型&省電力PC”のリビングPCやファイル&メディアサーバーPC化だ。ファイル&メディアサーバーとして、NASを導入するのも手だが、PC自作なら、時間のかかる動画エンコード作業や地デジ録画(要地デジチューナー)など、1台数役をこなすことも可能だ。

家族で共有する旅行や運動会といったイベントの動画や写真は、リビングPCにまとめて保存。見たいときにサッと家族みんなで楽しめる

小型&省電力PCで
快適なPC生活をエンジョイ!!

 構成を複数台のHDDを搭載できるPCケースに変更し、Windows 8/8.1が標準で備える記憶域プール機能を活用すれば、HDDに障害が起きてもデータ復旧が可能だったり、あとからHDDを追加して容量を増やしたりすることもできる本格的なファイルサーバーなども組める。ちょっと構成を変更するだけで、さらに用途が広がるのも小型&省電力PC構成の魅力だ。

LGA1150 CPUの省電力モデルに、ASUS製マザーボードを使って、自分なりの小型&省電力PC構成をじっくり考えて作ってみよう

 省電力PC自作のキモとなるLGA1150 CPUの省電力モデルに、品質や安定性、そして独自省電力機能がグッドなASUS製マザーボードといった部分はそのままに、自分なりの小型&省電力PC構成をじっくり考えて作ってみよう。

【関連サイト】

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