省電力CPUとマザーボードがポイント
動画エンコードの処理時間など、PC性能を司るCPUには、TDPが35Wで2コア/4スレッド動作対応の「Core i3-4130T」を選択。動作クロックは2.9GHzだが、メールやウェブ巡回、動画視聴に加え、動画エンコードやウェブゲームなども快適に行なえる。
LGA1150 CPUには、Core i5/i7にも省電力モデルが用意されているので、用途にあわせて選ぼう。なお、省電力CPUは型番末尾が「T」または「S」になっており、TDP45Wながら4コア/8スレッドに対応し、最大3.7GHzで動作する「Core i7-4770T バルク」(実売価格 3万3000円前後)もある。
ちなみに、構成に含んだ「Core i3-4130T」の内蔵GPUは、「Intel HD Graphics 4400」になる。LGA1150 CPUが内蔵するGPUとしては下位モデルだが、「ファイナルファンタージ XIV:新生エオルゼア」(以下 新生FFXIV)や「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」(以下 DQ X)も、描画設定“標準”の解像度1280×720ドットクラスなら、遊ぶこともできる。
新生FFXIV(左)とDQ X(右)のベンチマーク結果。ともにスコアーは“快適”だ。さすがに、新生FFXIVは大規模戦などで、ちょっとカクツキが目立つが、軽いレベリングや素材集め、生産には問題ないので”ながら“プレイ用のPCにするのもありかも
続いてはマザーボードだが、前回と同じく信頼性や安定性、品質に定評があり、独自の省電力とファンコントローラー機能がグッドな鉄板のASUSから選ぶことにした。
ASUSはMini-ITXのラインアップも豊富だが、今回の構成で選んだのは手ごろな価格帯になっている「Intel H87 Express」搭載の「H87I-PLUS」だ。1回目で紹介したAndroidやiOS搭載のスマホ/タブレットとの連携に便利な「Wi-Fi GO!」機能は非搭載だが、定番の各種独自機能は備わっている。
一方、電源回路のフェーズ数は、多いほど電圧変動に強く安定性が向上するが、消費電力が増える。「H87I-PLUS」の電源回路は3フェーズなので、消費電力が気になる24時間動作のファイル&メディアサーバーにも最適。SATA3やUSB 3.0ポートは少なくなるが、そのほかはほぼ同じスペックで、より安価な「Intel H81 Express」搭載の「H81I-PLUS」もある。ドライブベイの限られる小型PC自作では、SATA3ポートの数はあまり弱点にならないので、1万円前後の「H81I-PLUS」を選ぶのもありだろう。
そのほかのPCパーツも、信頼性や組み立てやすさを考慮し、HDDは24時間動作を想定したNAS/RAID向けHDDのWestern Digital「WD Red」シリーズや手ごろな価格で安価、高信頼な鉄板SSDのひとつであるIntel「SSD 335」シリーズ。そして電源ユニットには余分なケーブルを外しておけるプラグインタイプを採用し、エコな80PLUS GOLD認証を取得するSilverStone「SST-ST45SF-G」を選んでいる。
ASUS独自機能で
消費電力ダウン!!
さまざまな独自機能やアプリを搭載するASUSマザーボードだが、省電力PC自作で要チェックなのが、EPU(Energy Processing Unit)だ。電源回路のフェーズ数を制御する専用チップを備え、負荷に応じてフェーズ数を減らし、省電力化を実現する機能になる。正直、省電力PCのキモは最も高い消費電力であるCPUのチョイスといえるが、メーカー独自の省電力機能も気にしたいところ。

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