myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第16回

冬コミ人気トップ5は東方・黒子・艦これ・アイマス・進撃

コミケ人気とニコ動・pixiv人気は相関するのか調べてみた

コミケの人気ジャンルと
ニコ動・pixivの人気タグは相関するのか？

　ところでこうしたコミケでの人気は、ニコ動やpixivなどの人気とは相関しているものなのでしょうか。ということで試みにニコニコ動画の動画、pixivのイラストについて、それぞれの代表的なタグの過去1ヵ月の作品投稿数とともにグラフ3で並べてみました。

ニコニコ動画・pixivの投稿数は左軸、コミケのサークル数は右軸。12月11日夜時点で各タイトルのタグについて各タグ検索の機能を使って過去1ヵ月の投稿数を簡易に調査したもの。サービスにあわせてタグは変えてある（「ヘタリア」はニコ動では「AxisPowersヘタリア」等）。参考のためコミケのサークル数を付した

　見てわかるとおり、実はあんまり相関しません。コミケ85の申し込み時期は8月なので時期が異なっているのも大きいのですが、「TIGER＆BUNNY」や「戦国BASARA」などの昔からのジャンルではサークル数の近いタイトルと比べて投稿数が少ないことがよく分かります。

　ニコ動ではカテゴリタグになっている「東方」「アイドルマスター」「VOCALOID」、および現在進行形で盛り上がっている「艦隊これくしょん」が強く、他は少ないです。ちなみに女性寄りの作品は最近は「描いてみた」（第6回参照）と「MikuMikuDance」（第3回参照）でよく動画が投稿されています。たとえばタイバニは今回は「TIGER＆BUNNY」でカウントしましたが、実は「MMDタイバニ」の方が過去1ヵ月では動画数は多いです。

　「VOCALOID」はニコ動ではオリジナル曲、pixivでは二次イラストの投稿が多いのですが、いずれも同程度の規模なのが面白いところ。投稿数でも東方・艦これ・進撃・黒子についで多く、いまだに人気が高いことが伺えます。

　女性寄りではこの中で最近もっとも人気が高いのは「進撃の巨人」、ついで「黒子のバスケ」と順位が逆転しています。また以前からのジャンルでは「ヘタリア」が意外なことに投稿数が多いです。「ヘタリア」はニコ動でも思ったほど投稿数が減っていないため、人気が再燃してきているのかもしれません。

　ニコ動とpixivはやはり投稿者の層がかなり違っているため、このように比較すると違いが際立ちます。

　またpixivとコミケでは作者の層はだいぶかぶっているのですが、pixivを使用しているか、継続的にイラストを投稿しているかなどの点では作品によって違いがあったりします。「戦国BASARA」や「TIGER＆BUNNY」はむしろ以前はpixivで人気があったタイトルのはずですが、コミケでのサークル数と比較するとだいぶ少ない印象があります（もちろん、その月に起きた出来事等にも影響されるのですが）。

　ちなみにこのグラフに載ってない作品としては、pixivでは「魔法少女まどか☆マギカ」「ポケモン」「カゲロウプロジェクト」などのタグが過去1ヵ月で5000投稿を超えています（上記のグラフで言うとヘタリア相当）。「カゲロウプロジェクト」はコミケでは数サークルがある程度（上記グラフでは「VOCALOID」のサークル数にカウントしています）なのですが、pixivではこんな人気なタイトルなのですね。まどマギ・ポケモンは新作の影響が大きいかなと思われます。

　コミケでのサークル数とネットでのCGM人気はある面では似ており、ある面ではだいぶ違います。もっとも最近になるほど近づいてきているのが実際かもしれません。

ニコ動ではコミケにはじめて参加する人向けに講座動画がいくつか上がっています。冬と夏では大きく内容が変わりますので、少し古いですが2年前の冬コミ用に作られたコミケ講座動画をご紹介します。あわせて今回のコミケカタログを熟読して最新の情報をアップデートすると良いでしょう。