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指さすだけでラベルを読み上げ、誰なのかが分かる

STマイクロのイメージングセンサー、視覚障害者用メガネデバイス「OrCam」に搭載

2013年12月12日 20時39分更新

文● 行正和義

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「OrCam」に搭載されたSTマイクロのカメラモジュールと画像処理チップ

 STマイクロエレクトロニクスは12月12日、視覚障害者用のメガネデバイス「OrCam」に同社のカメラモジュールと画像処理チップが採用されたと発表した。

指差せばそれがなんであるのか画像認識され音声で伝えられる

 「OrCam(オアカム)」は、イスラエルの企業が発売した視覚障害者の生活を補助するためのウェアラブルデバイス。メガネにカメラモジュールをクリップし、目の前にあるものを指させば画像処理によってだいたいそれがなんであるのか、看板や製品ラベルであればその文字を読み上げてくれる。顔検出機能によりそれが誰かも分かるほか、ユーザーは利用中に新しい人や物体を登録することも可能という。指でさす行為を伴うので弱視や色覚異常、失読症などの視覚障害に対しての補助装置だが、全盲の場合でも使いこなすことができるという。すでに発売中で、価格は2500ドル。

OrCamは2013年9月に北米で発売され、売り切れるほどの人気商品となった

 この装置にはSTマイクロのカメラモジュール「VX6953」と画像処理プロセッサ「STV0987」が採用されている。VX6953は5.1Mピクセルの固定焦点カメラで、強化被写界深度レンズの採用でAF時間がなく、小型かつ省電力なのが特長。STV0987は8Mピクセルまでの画像処理が可能なプロセッサで、スマホのカメラなどにも採用され高速かつ低消費電力が特長。

新聞などはリアルタイムに読み上げてくれるほか、製品ラベルなどを読めることで視覚障害者の生活は大幅に向上するという

 これらのモジュールにより、OrCamは重度の視覚障害でも道路を渡り、道路標識を認識し、レストランのメニューも容易に読めるといったことが可能となり、STがスローガンとする「life.augmented(生き方の拡張)」を実現するものとなっているという。

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