1つのv4アドレスを多数のサーバーで共有する技術、NICTのテストベッド上で実証
富士通などが“IPv4アドレス枯渇”対策の大規模実験に成功
2013年12月12日 06時00分更新
富士通、富士通コンピュータテクノロジーズ、情報通信研究機構(NICT)、北陸先端科学技術大学院大学(JAIST)は12月11日、IPv6ネットワークで構成されるデータセンターにおいて、1つのIPv4アドレスを複数の機器(サーバーなど)に割り当てる(IPv4を共有する)ソリューション技術の大規模実証実験に成功したことを発表した。
今回の実証実験は、富士通が2012年6月に開発を発表した「SA46T-AS(Stateless Automatic IPv4 over IPv6 Tunneling with IPv4 address sharing)」(関連記事)を、NICTが運用する大規模ネットワークテストベッド「StarBED」上で動作させるというもの。SA46T-ASは、TCP/UDPのポート番号を識別子とし、1つのIPv4アドレスを最大約6万5000の機器で共有可能にする技術。
実験では、仮想サーバー合計1,536台(128仮想サーバーを展開する物理サーバー12台)の大規模展開を行い、基本動作の安定稼働、規模追従性、さらにSA46T-ASを組み込んだ仮想サーバーを手作業(操作や個別設定)なしで自動的に大規模展開させることなどを確認した。その結果、十分な実用性があることが実証されたとしている。
発表の中で4者は、今後本格化するIPv6への移行とIPv4の継続利用を支える日本発の技術として、現在IETFにてSA46T-ASの標準化提案を行っていると述べている。