キヤノンITソリューションズは12月10日、「ESET セキュリティ ソフトウェア シリーズ」の新バージョンを12日より販売すると発表した。
発表会ではESETの最高経営責任者 リチャード・マルコ氏とウイルスラボ責任者 兼 統括研究官のユライ・マルホ氏が登壇。それぞれESETの業績や新機能、最近のマルウェアの動向を講演した。
新ESETは「アドバンスド メモリスキャナー」「エクスプロイト ブロッカー」「バルナラビリティ シールド」という3つの新機能を搭載する。
3つの新機能とは?
アドバンスド メモリスキャナーはメモリーを監視し、難読化・暗号化されたウイルスを検知する機能で、不審なプロセスを検知する仕組み。シグネチャー検査やヒューリスティック検査でも検出できないウイルスも検知できるとしている。
エクスプロイト ブロッカーはブラウザーやメーラーの脆弱性を狙ったウイルスを監視し、不審な挙動があればブロックする機能。ウイルスが個人情報やFTPアカウントを盗む前に、動作をブロックするという。
バルナラビリティ シールドはネットワークレベルでの検知システム。セキュリティーホールを狙った攻撃、ハッキングに対して働くもの。
3つの新機能と、従来から搭載していた「ヒューリスティック(新種・亜種ウイルス検知システム)」の組み合わせで、ウイルス検知能力を大幅に強化したとしている。
ユライ・マルホ氏によれば、日本はマルウェアに接する機会が他国よりも低かったが、2012年から増え始め、2012年と2013年を比較すると検知率はおよそ2倍になっているとのこと。特に「トロイの木馬」の検知率は高く、英国に次いで世界2位だと説明。近頃では、ファイルを勝手に暗号化したり、マシンを勝手にロックしたりして、解除のための身代金を要求してくるタイプのマルウェア、スパイウェアも検知されているという。(これらはロシアやウクライナ、スペインといったヨーロッパ諸国で主に検知され、日本では検知されるものの率は低いと付け加えた)従来からよく見られるタイプのマルウェア、スパイウェアに加えて、こういった新しいタイプのマルウェア、スパイウェア、従来のものとよく似た構造の新種/亜種マルウェア、スパイウェアに対しても新ESETは有効だと強調、特にアドバンスド メモリスキャナーの有用性が高いとアピールした。
個人向けのラインアップは「ESET ファミリー セキュリティ 2014(5台のライセンス)」および「ESET パーソナル セキュリティ 2014(1台分のライセンス)」それぞれのパッケージ版/ダウンロード版、1年版/3年版、合わせて8通りだ。パッケージ版の価格はオープンで、ダウンロード版は3200円~6800円。
法人向けには、「ESET オフィス セキュリティ 5PC+5モバイル」および「ESET オフィス セキュリティ 1PC+1モバイル」をラインアップする。価格はそれぞれ1万8400円、6800円。
動作環境はいずれもWindows XP/Vista/7/8/8.1(7/8/8.1 EnterpriseおよびWindows RTは非対応)、Mac OS X 10.6/7/8/9、Android 2.3/3.0/3.1/3.2/4.0/4.1/4.2/4.3。
終盤にはキヤノンITソリューションズ 取締役 上席執行役員の楢林知樹氏が登壇。「ESETは角川アスキー総合研究所による、ウイルス対策ソフトアンケートのユーザー満足度が3回連続でナンバーワン。高い満足度を活かしてうまく訴求していきたい。現時点でシェア約17%と、3年前に立てた目標を大きく上回っているが、今後もシェア拡大を図っていく。まずは利益よりシェア拡大」と述べた。