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コンパクトでもハイエンドモデル並みのパフォーマンスを実現可能

ディスプレイに装着できる超小型デスクトップ「ST170E」を試す!

2013年12月17日 15時00分更新

文● 竹内亮介 写真●篠原孝志(パシャ)

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液晶とのセットモデルも用意、ビジネス以外の使い方も!?

 従来のモデルと同様、液晶一体型キットも用意している。45mmスリムモデルでは、液晶ディスプレイの背面側にあるVESAマウンター穴を利用し、「Endeavor ST170E」を装着できるマウンターキットが用意されている。一方の光ディスクドライブモデルでは、従来から発売されている専用一体型キットでディスプレイの背面に取り付けが可能だ。もともとコンパクトなパソコンだが、さらに効率的にスペースを活用できるわけだ。

 バンドルできる液晶ディスプレイは17型~21.5型まで4モデル用意しており、業務内容や設置する机のサイズによって選択できる。光学ドライブを搭載できるモデルでは、PCとディスプレイへの電源接続が1本で済む専用のACケーブルを付属。机の上に太い電源ケーブルが散乱するのが気になるユーザーは注目したいポイントである。

45mmスリムモデルは、専用のマウンターキットを用意。VESA規格に対応したディスプレイなら、どのディスプレイにも取り付けが可能

本製品をマウンターキットにセット。45mmスリムモデルの場合、ディスプレイ背面から70mmほどのスペースがあれば取り付けが可能

 たとえば、中小企業などでは受付システム向けとして使えるかもしれない。受付で人が応対してくれる大企業以外では、紙の内線表で担当者を探して電話で掛けるということは少なくない。本製品をディスプレイ一体型PCとして使い、担当者を検索・呼び出しができるようなシステムを導入すれば、来客者が担当者を呼び出す際の対応を簡易化できる。受付に置いてあっても気にならないサイズの本製品だからこその利用方法と言えるだろう。

 また、ディスプレイに装着しなくても、本製品の省スペース性は、ビジネスシーンで十二分に効果を発揮する。本棚やディスプレイの下など、通常サイズのデスクトップ機では設置できないように場所に本体を配置でき、スペースが限られたデスクにはうってつけだ。

 ビジネスシーンであれば、小型サーバーとして利用するという選択肢もある。「Endeavor ST170E」はストレージの交換が簡単に行える構造になっている。秋葉原のパーツショップで購入できる9.5mm厚の2.5インチHDDの最大容量は、現状では1.5TB。本製品では2.5インチHDDを2台まで搭載できるので、最大3TBのファイルサーバーを作れるわけだ。

 常時稼働のファイルサーバーでは動作音と消費電力が気になるところだが、アイドル時の動作音は22dB前後で、消費電力はなんと11W前後。試用機は2.5インチHDDを2台搭載したモデルで、HDDを2台搭載した時の振動音がどうなるかも試すことができたのだが、30cmほど離れればもはや無音に近い状態だった。

 保存しなければならないファイル容量にもよるが、大型のサーバーケースを設置するなら、消費電力が低く、動作音も静かな「Endeavor ST170E」をコンパクトなサーバーにしたてて机の陰に忍ばせておくほうがずっと良い。

仕事用のデスクにある本棚に設置。ディスプレイ下のデッドスペースも活用でききる。また、静音性も高く、デスク上に配置して、ファイルサーバーとして利用していても、動作音などが気にならない

 ビジネスユーザー向けの訴求ポイントを押し出し、デザインもシンプルな「Endeavor ST170E」だが、ビジネスシーン以外でも、おもしろい使い方ができそうだ。たとえば液晶ディスプレイの裏側に本製品を取り付けられるマウンターキットは、10cm角のVESAマウンターに対応する。ということは、大画面の液晶テレビに付けてもよいわけだ。

 インテリアを揃えたオシャレなリビングに無骨な自作PCを置いたら、間違いなく奥さんに怒られるだろう。かといって「Endeavor ST170E」ほどコンパクトなモデルでも、ビジネスユーザー向けの主張の少ないデザインは、リビングに似合わない。しかしVESAマウンターを使って液晶テレビの裏側に設置してしまえば、パソコンが置いてあるということすらわからなくなる。

拡張性と小型化の間で絶妙なバランスを実現する

 このようにさまざまなシーンで活用できる「Endeavor ST170E」。小型ならノートパソコンでもよい、という考え方もわかる。しかし性能的には、ほぼ同等と思われるウルトラブックやA4ホームノートPCにはない拡張性がある。液晶ディスプレイやキーボード、マウスなど入出力機器にこだわりがあるユーザーにとっては、ノートパソコンでは満足できないことも多いのだ。

 また、Mini-ITX対応PCケースを使った小型パソコンやNUCのベアボーンを考えているユーザーにもオススメだ。特に、NUCなら本製品よりさらに小型のPCを作れるが、拡張性やパーツの自由度では本製品に軍配が上がる。

 このように「Endeavor ST170E」は小型パソコンを愛好するユーザーにとって悩ましい課題である、拡張性と小型化のバランスを絶妙なところで両立しているのが最大の特長と言える。もちろん本来のビジネスユーザーにとってもメリットは大きく、多くのユーザーにおすすめしたいパソコンだ。

試用機(45mmスリムモデル)のおもな仕様
OS Windows 8.1 64ビット版
CPU Core i5-4300M(2.6GHz)
メモリー 8GB DDR3 1600
グラフィック Intel HD Graphics 4600
ストレージ 2TB(1TB 5400rpm HDD×2)
光学ドライブ なし
サイズ 幅45×奥行き185×高さ195mm(他突起部除く)
幅75×奥行き185×高さ203mm(スタンド付・突起部を除く)
重量 約1.2kg(スタンド装着時約1.3kg)
価格 12万9150円(税込)

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