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なれる!SE 間違いだらけの?IT用語辞典(中二版) 第40回

前世の記憶は信じなくても、過去のミスは忘れない室見さん、なIT用語

2013年12月19日 18時00分更新

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回答編


仮想記憶はメモリ管理の用語ね。メインRAMやハードディスクなどを単一の記憶領域として仮想化する技術。


パソコンとかでもよく見かける単語ですよね。メインメモリが足りなくなった時、代わりにハードディスクを使う仕組み。外部記憶上の仮想的なメモリだから仮想記憶って。


違う。


え?


あんたの言ってるのはスワップ領域。同一の仮想記憶空間内でメインメモリの内容を外部記憶装置に待避させること。仮想記憶はまた別の概念だから。


ん? え……仮想記憶空間……スワップ……?


あーもう、理解が悪いわね。いい? 仮想記憶ってのは複数の物理記憶領域を見かけ上一個にまとめたものなの。その中にはDRAMはもちろんハードディスク、SSDも含まれる。媒体によって仮想かどうか分かれてるわけじゃないのよ。


……えーと、仮想記憶の中にハードディスクとメインメモリがあって、相互のやりとりがスワップってわけですか? ……ああ、なるほど。確かにちょっと誤解してました。でもなんでわざわざ一個の塊にまとめるんですか? それぞれ使えばいいじゃないですか。


そうすると、プログラマが何のデータをどの物理メモリに割り当てるか制御しなきゃいけないでしょ。これはアクセス頻度が少ないからハードディスク、こっちはよく使うからメインメモリとか、いちいちやってたら面倒くさいじゃない。その点仮想記憶を使えば全領域をあたかも単一のメモリみたいに使える。


はぁ……プログラマの利便を図るためってことですか。


ていうかアプリケーションそのものの作り込みに集中させるためね。ネットワーク監視のソフトを作るのに、どのデータをスワップさせる、させないとか本質じゃないでしょ。そんなことにかかずりあってる暇があったら、監視自体の機能を充実させるべきって話。


なるほど……本質論ですね。すいません、なんか勝手に分かった気になってました。


簡単な用語こそきちんと意味を調べるべき。全ての技術は正確な基礎の上に成り立ってるんだから、ベースの知識をないがしろにすると総崩れになるわよ。


肝に銘じておきます……。


だいたいあんた昔っから中途半端な理解で動くわよね。さっきのコンフィグ間違いもそうだし、半年前にBoot Loaderの定義、誤ってお客さんに説明していたでしょ? その一月前にはPPPoEの略称ミスってたし二月前にはラック部材の発注項目を--。


(以降、三十分室見の説教が続く)


(この人、絶対に過去のミスとか忘れないタイプだよな……)


【解説】

仮想記憶
メモリ管理用語。メインRAMやハードディスクなどを単一の記憶領域として仮想化する技術。大容量のメモリ空間を確保できる他、異なる物理領域を一元化し、スワップの処理を自動化できるメリットがある。

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