アメリカにとって毎年11月第4木曜日の「感謝祭(サンクスリビングデー)」は、祝祭日である以上に大きな意味を持つ。ここから約1カ月後のクリスマスに向けてクリスマス・セールが始まり、小売業にとっては大きな稼ぎ時となるからだ。
実際、感謝祭の翌日の金曜日は、クリスマス・セールが本格的にスタートし、モノが売れて大幅な“黒字”となることから「ブラックフライデー」。週末を挟んで翌月曜日は、“オンラインショッピング”の売り上げが急増することから「サイバーマンデー」とそれぞれ呼ばれている。
アスキークラウドWeb版では「米の年末商戦はネット通販が好スタート、日本は?」の記事で米調査会社コムスコア(comScore)の調査結果から、今年の感謝祭の11月28日におけるEコマース(ネットショッピング等)金額が7億6600万ドルで前年同期比21%増、翌29日のブラックフライデーにいたっては、同11億9800万ドルで15%増を記録したと伝えた。
このたび米IBMが発表した12月2日のサイバーマンデーに関する調査結果によると、同日1日での売上高は対前年比20.6増を記録した。特に成長が著しいのはスマホやタブレットを使ったモバイルからのオンラインショッピング。対前年比でモバイルからのトラフィックは45%増加し、オンライン全体の31.7%をシェア。モバイルでの売上高も55.4%増加し、全体の17%を占めた。
これをOS別に見てみると、オンラインでのトラフィック全体の22.4%をiOS(iPhone・iPad)が占め、Androidのシェアは9.1%。売上高はオンライン全体の14.5%がiOSで、Androidは2.6%。1注文当たりの平均支払額は、iOSが120.29ドルであるのに対してAndroidは106.7ドル。AndroidよりもiOSユーザーのほうが積極的にオンラインショッピングを活用しているようだ。
日本でもお歳暮やクリスマス、年越しに向けた年末商戦が本格化しつつある。特に今年は冬のボーナス支給額に上向きの傾向もみられ、年末商戦は活況を呈しそうだ。アスキークラウド2014年1月号(11月22日発売)では「対アマゾン 流通本土決戦」という特集をはじめ、ECサイトのビジネス戦略のヒントなどをまとめている。感謝祭以降のクリスマス・セールでアメリカではネットショッピング市場が拡大しているが、その流れは果たして日本にも押し寄せてくるのか――。
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■IBM