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業界人の《ことば》から 第67回

慈善事業はドラッグとも

1年前に日本でLINEを見た、我々は、ここから学ぼうと考えた

2013年11月29日 09時00分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「1年前に日本を訪れてLINEを見た。我々は、ここから学ぼうと考えた」(米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ会長兼CEO)

モバイル時代に即したプラットフォームを提案

 米セールスフォース・ドットコムは、2013年11月19日~21日、米サンフランシスコにおいて、Dreamforce 2013を開催した。

 全世界82ヵ国から、13万5000人以上が事前登録。ライブ動画配信のSalesforce Liveを通じて、20万人以上が視聴するなど、過去最大規模のソフトウェアイベントとなった。  ここで発表したのが、Salesforce1である。従来のSalesforceで提供してきたプラットフォームをベースに、モバイル時代に対応したプラットフォームへと大きな進化を遂げるとともに、Internet of Customers(顧客のインターネット)を実現するためのプラットフォームだと、米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ会長兼CEOは位置づけた。

 そして、ベニオフ会長兼CEOは、2年前に立てたモバイル戦略が誤りであったことを認め、その反省をもとに、Salesforce1へと進化させてきたことを明かす。

 Salesforce1では、APIを10倍以上に拡張し、様々なモバイルデバイスに対応するようにしたことも、その取り組みのひとつだ。

 「モバイルデバイスで活用するために、十分といえるだけのAPIを備えているとはいえなかった」とベニオフ会長兼CEOは語り、Salesforce1での進化点を強調してみせた。

LINEを手本にしたと語るベニオフ

 そのなかで、ベニオフ会長兼CEOが明かしたのが、Salesforce1の進化において、LINEを手本にしたということだった。

 LINEは11月25日に、全世界で3億人ユーザーを突破。今年1月の1億人突破から勢いはさらに加速。来年には5億人突破を見込んでいる。

 「1年前に、東京を訪れたときに、LINEを見る機会を得た。すぐに技術者に連絡をとり、LINEを見せ、我々はここから学ぶべきだと提案した」と、ベニオフ会長兼CEOは語る。

 LINEをみて感じたのは、スマートフォンの利用形態が変化していることだった。LINE独自のスタンプを活用したコミュニケーションは、スマートフォンならでは特徴を生かしたものだと感じたという。

 「LINEは、素晴らしいパブリッシャー。成功モデルのひとつである。利用者を巻き込んだコミュニケーション手法のヒントになった」と、ベニオフ会長兼CEOは語る。

 モバイル戦略を立案する米セールスフォース・ドットコムの戦略部門エグゼクティブ・バイスプレジデントのクラレンス・ソー氏は、「マーク(=ベニオフ会長兼CEO)に呼ばれ、LINEをインストールさせられた。すぐにハローキティのスタンプが送られてきた」と笑う。  顧客とつながるインターネットの世界を目指すSalesforce1の根底には、LINEのコミュニケーションノウハウが生かされているというわけだ。

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