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最新+無料のHyper-V Server 2012 R2に触れてみよう! 第1回

初めての仮想化でも大丈夫!な仮想化プラットフォーム入門

Hyper-V Serverを知り、インストールと初期設定をする

2013年12月06日 14時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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Hyper-V Serverのインストール

 さて、そろそろインストールファイルのダウンロードは終わっただろうか。ここからはインストール方法の説明に入る。

 まずはダウンロードしたISOイメージファイルをDVD-Rに書き込んで、インストール用DVDを作成する。Windows 8や8.1ならば、ドライブに空のDVD-Rをセットし、ファイルを右クリックして「ディスクイメージの書き込み」を選択すれば書き込みツールが起動する。その他のOSでは、DVDライティングツールを使ってインストールDVDを作成してほしい。

書き込みツールでインストール用DVDを作成する

 ※ちなみにインストールするマシンにDVDドライブがない場合、USBメモリを使ってインストールすることもできる。こちらの記事を参考にしてほしい。

 インストールするマシンのドライブにDVDを入れて起動すると、Windowsロゴの画面に続いてインストール設定の画面が表示される。以下、画面を追って説明する。

「インストールする言語」や「キーボードの種類」などを選択し(通常はそのままでよい)「次へ」ボタンをクリック。次の画面では「今すぐインストール」をクリック

Hyper-V Serverのライセンス条項が表示される。ライセンスを一読して「同意します」にチェックを入れ「次へ」

新規インストールなので下の「カスタム」をクリックする。古いバージョンのHyper-V Serverがインストールされている場合は、「アップグレード」をクリックすればファイルや設定を残したままアップグレードできる

インストール先のディスク(パーティション)選択。今回は新しいディスクにインストールするので「割り当てられていない領域」と表示されている。選択し「次へ」をクリックするとインストール処理が始まる

インストール処理中の画面。インストール処理は数分で終わるだろう。完了したら自動的にマシンが再起動し、インストールされたHyper-V Serverで起動する

 インストール処理が完了すると、自動的にマシンが数回再起動したのち、次のような画面が表示される。ここではAdministrator(システム管理者)用のパスワードを登録する。同じパスワードを2回入力すれば登録できるが、パスワードは6文字以上の長さで、英大文字、英小文字、数字、記号のうち3種類以上を組み合わせたものでなければ登録できない。

ここで「OK」をクリックし、表示される入力欄に同じパスワードを2回入力すれば登録が完了する

 パスワード登録後、「OK」ボタンをクリックすると、Hyper-V Serverにサインインする。画面中央に青いウィンドウが開いているはずだ。

サインイン後、自動的に「sconfig」という管理ツールが起動する(中央の青いウィンドウ)。なおsconfigはサインインするたびに起動する

CUIツール「sconfig」を使って初期設定

 画面中央の青いウィンドウは「sconfig」というServer Coreの初期設定ツールだ。CUIのツールだが、メニューに表示された番号を選んで(入力して)いく方式なので、コマンド操作に慣れていなくてもあまり怖がることはない。

 ここで設定する各種項目(ネットワーク設定、コンピューター名など)はすべてこの管理用OS自身の設定であり、Hyper-V Server上で動かす仮想マシンとは関係ない。仮想マシンの設定は、仮想マシンを作成する段階で行う。

 さて、新しいOSをインストールしたら、何はともあれすぐに更新ソフトウェアのインストール(アップデート)をすべきだろう。そのためにはまず、ネットワーク設定をしなければならない。

 接続されているネットワークがDHCP環境の場合は、自動的にIPアドレスやDNSサーバーの設定が済んでいるはずだ。少し試してみる程度ならそのままでもよいが、今回はリモート接続で管理するうえでの利便性も考えて、あらためて静的に(固定の)IPアドレスを割り当てることにした。

 sconfigのメインメニューで「8」を入力して、ネットワーク設定の画面に進む。あとは次のとおりに設定を進める。

まず設定対象のネットワークアダプターを選択する。「インデックス#」に書かれた数字で指定(ここでは「11」)

現在のネットワーク設定が表示される。すでにDHCPサーバーにより自動設定されているが、今回はこれを静的なIPアドレス設定に変更する。まず「1」を入力

DHCPと静的IPの選択を求められるので、静的IPの「S」を入力。続けて静的IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイを入力

「DHCPが有効」の項目が「False(無効)」になり、静的IPアドレスが設定された。DNSサーバーを設定するため「2」を入力

優先DNSサーバーが設定されると、ダイアログウィンドウが表示される。代替DNSサーバーもある場合は同じように入力する

 ネットワーク設定が完了したら、sconfigのメインメニューに戻り「6」を入力すると、別ウィンドウでソフトウェアアップデートのツールが起動する。

sconfigのメインメニューで「6」を入力すると別ウィンドウが開く。「A」を入力してすべての更新プログラムを検索する。本稿執筆時点では6つの更新プログラムがリリースされていた

すべての更新プログラムをインストールするため、再度「A」を入力する。自動的にダウンロードとインストールの処理が行われる。インストール後は再起動を行う

 ついでにWindows Updateが自動的に実行されるように設定しておこう。メインメニューで「5」を入力し、自動更新の「A」を選択すると、毎日午前3時に更新プログラムを確認して新しい更新プログラムを自動インストールするようになる。

 同じようにして、sconfigのメインメニューからドメイン/ワークグループ、コンピューター名、ローカル管理者の追加(Administrator以外の管理者アカウント作成)、リモートデスクトップ接続の有効化などが設定できる。

 そのほか、マシンをシャットダウンするには「13」を、sconfigを終了してコマンドラインに戻るには「14」を入力すればよい。ちなみにコマンドラインで「sconfig」を入力すれば、sconfigツールが再度起動する。

* * * * *

 今回はここまでにしよう。続編記事ではHyper-Vの基本的な管理操作について説明し、仮想マシンの作成やOSのインストールなどを試していく。

 ここまで見てきたとおり、Hyper-V ServerにはGUIが備わっていない。初期設定は簡単だったが、コマンドラインで仮想マシンを作成したり、設定したりするのはハードルが高い。そこで、Windows PCで動作するGUIツールを使い、リモート接続による管理を行うつもりだ。どうぞお楽しみに。

(提供:日本マイクロソフト)

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