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ネットから「ほっこりの輪」広げたい──ロコンド田中社長

2014年01月19日 06時00分更新

文● 編集部

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── ここまでの成長は期待されていましたか?

田中 いやぁ。初年度は大波乱の年でした。垂直立ち上げをやろうとして、2013年の2月ごろにテレビCMなどもやって商品もたくさん買い取ってという荒いことをやったんですが、同じタイミングで東日本大震災があって。投資対効果が期待を大きく下回ってしまって。方向感を見直し行く中で行き着いたのが、いま申し上げたような「ほっこり」を1個1個作っていかなければならないということです。ほっこりを作り上げていくために社員と私もコミュニケーションを取るし、お客様やお取引先様にもご理解をいただくしと。ちゃんと1個1個積み上げてきたのが2年目以降のロコンドなんです。

── ビルドアップをしなおしたということですね。

田中 結局、Rocket Internetは日本から撤退して、第2フェーズが2011年後半から始まったという感じですね。株主も大きく入れ替えて、事業も見直して。現在は1000ブランド以上を手がけていますが、直接仕入れているブランドもありますし、卸しさん=メーカーさんみたいなところもありますし。

── 基本的に在庫は持たれているんでしょうか。

田中 はい。当日出荷、翌日お届けを増やしていきたいと思っています。1300坪ぐらいの倉庫を持っていますね。そこに20万ぐらいのアイテムが、靴だけでなくバッグなどさまざまなものが並んでいます。

── 事業を始められた際に、3つの成功の要素があると考えられたとおっしゃられました。「人を幸せにする」「消費者として便利」「Rocket Internetさんとの関係」。これらは当初の見込みからどのぐらい達成できると考えられていますか。

田中 そうですね。たとえば人を幸せにするという意味では、お客様からも応援のメッセージをいただいたりしていますし、ご指示いただいているんじゃないかなと。一回アンケートを実施した際にも99.9%のお客様からロコンドはいいと言ってもらえました。ここは一定の水準にきているかなと。ただ、完璧かといえばそうではない面もあって、サービスの漏れはありますし、品揃えをお客様は重要視しますから、いいサービスがあってもほしい商品がなければ意味がありません。その改善も必要です。ウェブサイトの改修も日々重ねています。やるべきことはまだまだたくさんあります。

社内には顧客のほっこりを高めるためのさまざまな取り組みが見える化されている

── そろそろ締めに入りたいのですが。田中さんご自身の思いについて聞かせてください。

田中 私はもともとマッキンゼー出身です。マッキンゼーという会社はインパクトという言葉をよく言います。要は単純に働いてお金をもらうだけではなくて、日本や社会にインパクトを出していって、よくしていくことが必要だと、そこで学んでいます。だからロコンドを通じて社会をよくしていきたいですし、マッキンゼー出身者という意味合いで言うなら、目標はDeNAですね。難波さん越えというか(笑)。DeNAさんにはいろいろな感想を持たれる方が多いと思うのですが、あそこまで大きな会社にしたというのはやはりインパクトですし、リスペクトしています。

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