西友が放つ870円ボジョレーの秘密
11月21日、今年もボジョレー・ヌーボーが解禁された。ブドウの収穫量は例年よりも少なく、昨年を少し上回る程度。原料価格の高騰に加えて輸送コストの上昇や円安など、販売面で不利な要素が少なくない中、大手小売チェーンの間で際立つ低価格を実現しているのが西友だ。フルボトル(750ml)の西友オリジナルのボジョレー・ヌーボーを870円で販売と、なぜこれだけ安い価格を設定できるのだろうか。
「英国アズダ(ウォルマートグループ傘下のスーパーマーケット)ワインチームの責任者、フィリッパ・カール女史に監修頂いていることが大きい」と西友 商品本部ディレクターの真弓博文氏は語る。ワイン専門家の称号である「マスター・オブ・ワイン」の資格を持つフィリッパ・カール女史は、生産者との強いネットワークや信頼関係があるため、収穫量が少なくても日本への十分な量を確保できたという。商品数は昨年の7アイテムから6アイテムに減らし、最もニーズがあるボジョレー・ヌーボーのフルボトルを大量に発注することで低価格を実現した。
親会社であり、世界最大級の大手小売チェーンであるウォルマート同様「エブリデイ・ロープライス」を掲げる西友。今回のボジョレー・ヌーヴォーに限らず同社が力を入れるのが、ウォルマートの調達力を活かした低価格戦略だ。「原材料や燃料費の高騰、円安の影響で輸入品の価格が上昇傾向にある中でも、当社が低価格戦略を打ち出せる理由は、ウォルマートグループのスケールメリットと、膨大なネットワークを使った直輸入だ」と、西友輸入事業部バイス・プレジデントのウォルター・ボッケル氏は語る。では、具体的にどのような取り組みをしているのか?