4原色パネル「クアトロンプロ」で
驚きの4K相当画質を実現!シャープ「XL10」
フルHDながらも4Kに迫る画質を追求するテレビとして、シャープもなかなかユニークなモデルを投入してきた。フルHDモデルの最上位シリーズとなる「XL10」シリーズだ。
このシリーズは豊富なサイズを揃えており、12月発売予定の80V型(実売価格89万円前後)、70V型(同68万円前後)、11月末発売予定の60V型(同35万円前後)、52V型(同30万円前後)、46V型(同26万円前後)となる。
外光の映り込みの影響を低く抑えながら、光沢感のある映像が楽しめる「モスアイパネル」の採用と、後述の「クアトロンプロ」技術を採用することで、シアンや黄色といった中間色の再現を可能にすると同時に、フルHDながらも4K相当の高精細表示を実現したことで話題のモデル。
4K相当画質の実力は4Kテレビに迫るものがあり、フルHDを大きく超える精細な映像でありながら、強調感が少なく自然な映像に仕上がっている。
こうした4Kに迫る精細さは、フルHDでは画素が目立ちやすくなる70V型や80V型の大画面でより魅力を味わえるものとなるが、逆に4Kに近い解像度を46V型という4Kテレビでは発売されることがなさそうなサイズで楽しめるというのも大きな魅力と言えそう。
パーソナル向きという言い方はしにくいが、ひとりでじっくりと映画などを4Kに近い映像で楽しむには最適なテレビと言えそうだ。
4K相当の高精細表示の仕組みは、クアトロンプロと新開発の「超解像 分割駆動エンジン」によって実現した。クアトロンプロのパネルは、1画素にRGBとYの4つの色を表示する部分と、上下に分割されたサブピクセルがある。
このうちのRGBだけを使って、ひとつの光(輝点)を作り、BとYでもうひとつの輝点を作る。これを上下のサブピクセルで行なうため、1画素で4つの輝点が作れることになる。これによって、フルHD画素ながら4倍の輝度信号の再現が可能になっている。
超解像 分割駆動エンジンは、4Kテレビと同じように、すべての映像を4K解像度に超解像技術でアップコンバートし、サブピクセルの分割駆動を駆使して1つの画素で4倍の輝度情報を再現する。
サブピクセル駆動というのは、VA型液晶が苦手とする視野角を広げる技術でもあるので、この4倍速相当の表示では視野角の影響が出やすいといった問題もある。
とはいえ、4K/30pまでの映像入力にも対応するなど、4Kテレビに近い実力を備えた実にユニークなモデルと言える。4Kテレビは手が出ないけれども、4Kコンテンツの登場を含めて4Kテレビが気になるという人には、ぴったりなモデルとも思える。
パネル生産を自社で行なうシャープの強みを活かし、パネルやテレビの画質的な実力を示す「THXディスプレイ規格」の認証も獲得。高性能なパネルと独創的な技術により、4Kテレビに近い映像を楽しもうというアプローチだ。
ネット連携機能も満載
このほか、MHL対応やミラキャスト対応といったスマホ連携機能も万全で、インターネットサービスとしては、動画配信サービスの「Hulu」やクラウドゲームの「G-cluster」など、最新コンテンツを豊富に楽しめる。
また、スピーカーは、前面に4つ、背面にサブウーファーを備えた5スピーカーの「2.1chフロントサラウンド音声システム」を搭載。テレビの音質を向上するだけでなく、Bluetoothも搭載によりスマホなどの音楽も高音質で楽しめるようにしている。
スマート機能を満載した従来の高級テレビとしての機能もきちんと備えながら、4Kに迫る画質を獲得し、その魅力を高めている。
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