■特別企画! 1980年代のF1を語るスペシャル座談会
今でこそF1ファンのオレだけど、1980年代の当時はまだ小学生。当時の記憶がそこまで確かではない……ということで、当時のF1を知るYK3とチョロ松をゲストに加えて、1980年代のF1を語るスペシャル座談会を開催してみました。これを読めば、当時の雰囲気がなんとなくわかっちゃう!?
●ヒビキタケル
『F1』シリーズの担当ライター。F1を本格的に見始めたのはここ4~5年くらいで、2年連続で鈴鹿に観戦に行っている。フェラーリとレッドブルが好きというミーハー系ファン。
●YK3
電アスレース部にも参加。好きなドライバーは荒法師と呼ばれたナイジェル・マンセル。自分の中で勝手に師と仰いでいるが、ゲームでの走りは至って安全運転(別名チキン)。モータースポーツはオンロードの4輪であれば全般的に好む。特にF1、SUPER GT、インディカー、WECが好き。F1での活躍にほれて20年以上のホンダ党だったが、家庭の事情で昨年からトヨタ車に乗る。
●チョロ松
いろんなレースゲームをつまみ食い。リアルではバイク乗りだが、ゲームでは四輪でドリフトするのが大好き。サーキットで走破タイムを詰めていくのは苦手なので、オープンなコースをのんびり走れるとうれしい。スーパーカーブーム世代でもあるので、往年の名車の知識だけはある模様。
■今なお愛される、ノーズの低いマシンデザイン
ヒビキタケル:今回の『F1 2013』では、1980年代のマシンやドライバー、サーキットなどが使える“F1 CLASSICS”モードが登場します。当時走っていた中嶋悟やナイジェル・マンセルについては、彼らの名前を冠したゲームも出ていたので記憶に残ってますけれど、当時の自分は小学生だったし、F1ファンでもなかったので、あまり記憶が残ってないんですよね。そこでYK3さんとチョロ松さんに、当時の雰囲気やドライバーたちのエピソードを語っていただこうと思ったわけです。
YK3:そうか、小学生だったのか……(笑)。オレは1987年にF1が鈴鹿サーキットに来た時は18歳で、そのころにはライターを始めてた(笑)。
ヒビキタケル:おおっ!
YK3:そのころ流行っていたゲームが、ファミコンの『ファミリーサーキット』(笑)。
ヒビキタケル:あー、はいはいはい! それ、超遊んでましたよ。
チョロ松:世代が完全に違うのに、同じゲームで遊んでいるという(笑)。でも、ゲームのタイトルが出てくると時代がわかりやすいですね。
YK3:『ファミリーサーキット』はコースがきちんと再現されていて、うまく減速しないと障害物にぶつかっちゃうところなんて、よくできていたよね。
チョロ松:懐かしむのもいいけれど、そろそろ当時のF1のほうの話を!
ヒビキタケル:読んでいる人には引っ掛かると思うんですけどねえ(笑)。じゃあ、マシンのデザインからいってみましょうか。『F1 2013』の“F1 CLASSICS”では、ウィリアムズやロータス、フェラーリのマシンが登場しますよね。このデザイン、妙に印象に残っているんだよなあ。「これぞF1!」って感じがする。
チョロ松:YK3さんが言っていたように、1987年から鈴鹿サーキットで日本グランプリを行うようになって、日本のF1ブームに一気に火がついた感じはありましたね。
YK3:当時のTVCMなんかでもよく使われたし、ホンダエンジンが強かったこともあって注目されたね。
チョロ松:中嶋悟が駆るロータスの、黄色いキャメルの塗装が施されたマシンが好きでした。
ヒビキタケル:そういえば、その下敷きを持っている友だちがクラスにいたな……。今思えば、かなりマニアなやつだったんだなあ。
YK3:でも、このスーッとしたデザインには、今のF1マシンにはない魅力があるよね。
チョロ松:1990年代くらいまでは、F1といったらこのボディでしたね。
YK3:1990年代に入ってからは、ノーズを上げて地面から離したデザインのマシンをティレルが作ってね。こういう風にノーズがベタっと下についているのは、このころは当たり前だった。
チョロ松:デザイン的には、クラシカルなマシンと今風のマシンの融合で、なんだか洗練された感じがあります。
YK3:ノーズが高いデザインは革新的で、得られるダウンフォースの量が全然違ったから、その後は高いノーズが主流になったけど。
ヒビキタケル:“F1 CLASSICS”で実際にプレイすると、ダウンフォースの部分は、2013年度の最新マシンとはやっぱり違いますね。マシン全体が流されやすいというか。
YK3:当時はパワーステアリングもあまり入っていない時代だったから、ドライバーの腕……、技術だけじゃなく“腕っぷし”のほうも相当強かったんじゃないかな?
ヒビキタケル:技術の進歩によってマシンが発展し、それが順位に影響しつつも、ドライバーの実力も当然ながら必要という時代だったんですね。ハンドルと言えば、“F1 CLASSICS”でもコクピットの様子が再現されていて、コレが当時を知らないオレでもグッとくるんですよ。真ん中に「どーん!」とタコメーターがあるくらいなのに、シンプルかつ洗練されたデザインがね。
YK3:わかる。
ヒビキタケル:ハンドルそのものは、今と比べると相当シンプルですけど。機能美的な魅力があるんです。
チョロ松:なかなか実際に見ることができない部分ですから、ゲームで見られるのはうれしいですね。マシンにビデオカメラを搭載して、ドライバー視点からの実写映像を見せ始めたのも、1980年代からだったと思います。ビデオカメラ自体は結構大きなやつで、今と比べると重かったんだろうなあと。
ヒビキタケル:迫力ある映像が撮れるし、マシンの異常にも気づきやすいという利点もあるよね。
YK3:ビデオカメラがあると、事故を起こした時の原因もわかりやすいしね。『F1 2013』の映像を見る限り、“F1 CLASSICS”では音も今と違うね。フェラーリはバラバラとした音になっている。
ヒビキタケル:見た目のインパクトがすごくて、そこには気がつかなかった! これは公式サイトの映像などで、ぜひ聴き比べてほしいですね。