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オンプレミス版の「Trend Micro SafeSync for Enterprise」発表

利便性と管理性を両立!トレンドマイクロのデータ共有ソフト

2013年11月06日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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11月5日、トレンドマイクロは新製品の企業向けデータ共有ソリューション「Trend Micro SafeSync for Enterprise」を発表した。ユーザーには自動暗号化機能やOutlook連携機能などでの簡単・安全なデータ共有を、IT管理者にはActive Directory連携やアクセスログ可視化などでの管理性を提供する。

利便性とセキュリティの両立を目指す新製品

 「Trend Micro SafeSync for Enterprise」(以下、SafeSync)は、オンプレミス型のデータ共有ソフトウェアだ。共有サーバーを設置して同製品をインストール、「チームフォルダ」と呼ばれるグループ単位のフォルダを作成して、同フォルダにアクセス可能なユーザーを設定したら、あとはクライアントソフトをインストールしたデバイスからファイルなどをアップロード/ダウンロードする。

 クライアントは、WindowsやMac OS X、iOS、Androidなどに対応。ユーザーアカウントは、Active Directory連携で社内ユーザーアカウントをそのまま使えて、操作権限(閲覧のみ、編集可能など)もユーザー単位で設定できる。

 アップロードされたファイルは自動で暗号化。暗号化されるとファイルの左下に赤い鍵マークが表示される。

Trend Micro SafeSync for Enterprise上の暗号化されたファイル

 OSやデバイスなどが多様化し、データ共有の方法も社内ファイルサーバーからオンラインストレージまで幅広い選択肢が存在する現在、管理者の目からデータの所在や利用状況はますます見えづらくなっている。実際、2013年8月の同社報告書「企業におけるファイル交換に関する調査」によると、従業員の3人に1人が「企業が許可していないツールを使って社外とファイル交換している」と回答、そんな現状を半数以上のIT管理者があまり把握できていないと答えている。

「企業におけるファイル交換に関する調査」の結果

 トレンドマイクロ 執行役員 ビジネスマーケティング本部 本部長 新井一人氏は、「情報漏えい事故が発生しても、それ自体に気付けないのが現状」と言う。しかしその一方で「セキュリティ強化は必須だが、ユーザーの利便性を下げることは避けるべき」と述べる。

トレンドマイクロ 執行役員 ビジネスマーケティング本部 本部長 新井一人氏

ユーザー、管理者双方にメリットを

 SafeSyncは、データをIT管理者の目の届く社内の管理下に置きながら、ユーザーが使いやすい形での共有を可能にする。たとえば、Outlook連携機能では、ファイルをメール添付して送信しようとすると、SafeSyncにアップロードしてURLを送信するか、そのまま添付するかを聞かれる。前者を選択した場合、アップロード後のリンク先がメール本文に挿入され、メール受信者はURLからファイルをダウンロードできる。ファイルは、パスワードやリンクの有効期限なども設定可能だ。

 IT管理者は、管理用コンソールからファイルの利用状況の一覧、ユーザーの追加/削除、ポリシー設定、アクセスログ管理などが行なえる。アクセスログ管理では、アップロードされたデータに何らかの操作があった場合、SafeSyncは利用ユーザーや利用クライアント、アクション、ファイルパスなどのアクセスログを記録。データが今どこに保存されているか、誰がどのデータにアクセスしたかを把握することができる。

 さらにSafeSyncは同社の他製品と連携可能だという。「たとえば、URLフィルタリング製品「InterScan WebManager」や「Trend Micro InterScan WebManager SCC」と組み合わせれば、オンラインストレージへのアクセスを止めるといった設定も可能だ」(トレンドマイクロ ビジネスマーケティング本部 ソリューションマーケティング部 マネージャー 坂本健太郎氏)。

トレンドマイクロ ビジネスマーケティング本部 ソリューションマーケティング部 マネージャー 坂本健太郎氏

 今後は、企業向けクラウドサービスとして展開することも検討しているが、「来年か再来年になるかもしれない」(新井氏)とのこと。

 受注は、2013年11月27日より開始。価格はユーザーライセンス単位で、参考標準価格(税別)は2,960円(初年度1,000ライセンス購入時の1アカウントあたり)。1ユーザーが複数台のデバイスを使用していた場合も、1ユーザーライセンスで換算する。

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