パナソニックが放つ、大本命の4Kテレビ
ここで紹介するビエラシリーズの最新機種「TH-L65WT600」(65V型)は、そんなパナソニックが10月に市場投入した4Kテレビの最新モデルだ。4Kテレビ市場ではすでに主要メーカーの製品が出揃い、第2世代機も出てきている状況。その意味では最後発の参入にも見えるパナソニックだが、そのぶん製品は死角がなく充実したできになっている。
最後発と言っても、パナソニックの4K技術への取り組みは古く、2010年にはプラズマパネルを活用した152V型の製品を試作。有機ELを活用した20V型の4Kテレビなどにも取り組んできた。技術では先行しており、市場の成熟を待っての投入という意味合いが強いのだろう。
4Kテレビのトレンドが明確となり、来年2014年には4K試験放送が始まると言われている。そんな将来を見据えた商品企画という点で、他社をリードする側面もあり、2013年の秋冬商戦をにぎわす4Kテレビの中でも本命の1台と言える要素を持っている。
最新のHDMI 2.0に加え、DP1.2aも装備、PCとの連携も
ではなぜTH-L65WT600が本命になるのだろう。
理由のひとつは“ピュアダイレクト”と呼ばれる4K60p入力、輝度情報と色差情報がフルに揃った4:4:4に対応している点だ。新規格HDMI 2.0にも対応。ほぼ同時期に販売開始するDIGAの最新機種「DMR-BZT9600」との組み合わせでBlu-ray Discなど既存のコンテンツも高画質に楽しむことができる。
ひとくちに4K対応といっても60p(毎秒60コマ)のプログレッシブ入力に対応せず、4:2:0など色差情報を省いた形で4Kを実現しているメーカーは多い。来るべき4K放送に対する準備も万全な1台と言えそうだ。
また民生用のテレビでありながら、PCユーザーになじみが深いDisplayPortを持つ点も面白い。これは世界初だという。DisplayPortは最新の1.2aに対応(以下DP1.2a)。Haswellのコードネームで知られるインテルの最新CPU搭載モデルでは4K出力可能な機種が主流となっており、DP1.2aでは従来のように4K出力のために複数のビデオカードやケーブルを使用することなく簡単に4K解像度に対応できる。
YouTubeなどの動画サービス、Google ストリートビューをはじめとした地図コンテンツ、そして高解像度を生かしたウェブブラウジングや高精細な写真・動画の編集など、4Kコンテンツの扱いでは放送やパッケージよりもPCのほうが一歩先を進んでいる印象もある。最近では、4K対応のゲームも増えている。
こうした状況を的確にとらえ、放送を見るためのテレビから、ネット上のコンテンツやさまざまなデバイスと接続し、新しい機能を体験できるテレビへ。DP1.2aをテレビに搭載したTH-L65WT600はPCユーザーにとっても相性抜群のテレビと言えるだろう。