かつてない高画質に、便利さと将来性が同居
TH-L65WT600は4Kテレビならではのかつてない高画質に加え、マイホーム、そしてPCをはじめとした多彩な機器と連携させる楽しさ、そして次世代の映像フォーマットにも十分に対応できる将来性を秘めた特徴ある製品に仕上がっている。
これまでにない映像世界を得られるのはもちろんだが、リビングの壁際に置き離れた場所から受身で画面を眺める、従来のテレビのあり方とは異なる、近づいて積極的にその中のコンテンツに関わっていくような能動的な体験も示してくれる。
4Kテレビの一角にスマートテレビとしても魅力的な大本命の1台が登場した。
「4Kテレビは映像を楽しむ人の必須アイテムになる」
角川アスキー総研・遠藤の視点で見た、4Kテレビの可能性
パナソニック・テレビ事業の本拠地がある大阪府門真市に出かけた。
TH-L65WT600を体験させてもらっていくつか気付いたことがあった。1つは、テレビが将来的にどんな役割のものになるのか。テレビ局や広告業界に限らず注目されているテーマだが、その答えが少し見えたように感じた。もう1つは、“精細”で“美しい”ことの意味が、いままでのテレビのとらえ方から次のステップに進んでいるのだという実感だ。
1つ目のテレビの役割については、スマホやタブレットが普及したこれからの人々の生活という文脈で考えないといけない。それを象徴する言葉は、“4スクリーン”で、それぞれ、スマートフォン(=Access)、タブレット(=Browse)、PC(=Process)、TV(=Watch)といった役割分担といえる。
しかし、4Kビエラで表示できる新聞のテレビ欄を広げたような画面を見ていると、それは先入観に過ぎなかったのだと思えた。
それもそのはず。会社などではプロジェクタを使って映像以外の情報を大スクリーンに映し出して見ている。屋外でもデジタルサイネージがあるように、映像以外の情報を見ることを誰でも体験するようになった。逆に、スマートフォンやタブレットで映像を見ることも始まっている。その意味で、多彩な映像ソースを自由自在に楽しんでいるASCII読者にこそ、これからのテレビは活かせるのではないかと思う。本文で触れられているとおり、このテレビの場合は、Haswell世代のPCの多くは4K出力機能(DP1.2a)を持ち、4K60pやHDMI 2.0にもシッカリ対応している。
もう1つ感じたのは、テレビは、やはり大画面、高画質にいまのところ向かうということだ。さまざまな機能が融合するデジタルの世界の中では、“テレビの定義”というものも議論になってくる。しかし、いくら便利になって映像ソースが増えたとしても、テレビは最後のところでは情報機器ではなく“家メディア”ともいうべきものだ。そこで求められるのは、五感が呼び起こす感動、リラックス感、あるいはほんわかとした安心感のようなものかもしれない。
高画質と利便性を持つテレビがリビングに加わると、どんなふうに我々のライフスタイルが変わるのか? ネットやスマートフォンによって、いままでテレビを視聴していた時間が削られはじめている。しかし、とくに若年層はいままでのどの時代の人たちよりも“スクリーン”を見ているのも事実である。より感動できて、より便利に使えて、より楽しいテレビであれば使わない手はない。そのためには、テレビも負けずに“スマート”にならなければならない。それは、テレビならではスマートさであるべきで、それによって4Kテレビは映像を楽しむ人の必須アイテムになりそうだ。
(角川アスキー総合研究所 遠藤諭)