中国とベトナムの国境の町を訪ねた。中国雲南省の「河口」という町と、ベトナムの「ラオカイ」という町で、2つの町は川を境に両岸が別の国となっており、どちらかの国のパスポートチェックを受けて橋を渡ることで入国することになる。
どちらも1~2時間歩けば1周できる程度の大きさで、国境の川からそれほど離れていなければ、対岸の国の2G、3G電波が届く。ベトナムのSIMカードを所有していれば、中国よりは規制の緩やかなベトナムのネット回線につながり、中国国内からは利用できないTwitterなどが利用可能となる(ただしFacebookはベトナムも中国と同じく規制している)。
中国の南西端にある雲南省は、ベトナム、ミャンマー、ラオスと接し、タイもすぐだが、これらの国との貿易はあれ、所得はかなり低い。かたやラオカイがあるベトナム東北部もまた貧しいエリアである。
つまりどちらも、その国の中では比較的貧しい地域である。この河口・ラオカイ訪問前に、両国の商都で最先端を行く上海とホーチミンシティを訪れた。商都と国境の町の違いという点からも見ていきたい。
スマートフォンが浮遊する中国の河口
中国側の河口には、小さい町とはいえ中国の3大キャリア「中国移動(China Mobile)」「中国聯通(China Unicom)」「中国電信(China Telecom)」のキャリアショップがあり、また地場の家電量販店と携帯電話ショップがある。
携帯端末に関しては、いずれもスマートフォンばかりが売られている。中国の地場メーカーの製品が目立つが、iPhoneも普通にある。スマートフォンは、各キャリアが本体実質無料のスマホを用意しており、決められた額をあらかじめプリペイドすれば本体をもらえる仕組みだ。
また、地方都市で展開し、ラインナップは5000円以下の安価なスマートフォンが中心のメーカー「尼彩」(関連サイト)の販売店もある。上海などの大都市と比べれば、手に入るスマートフォンの選択肢は充実しているとはいえないが、各店舗の日本の郊外の家電量販店程度にあり、スマホの入手で 困るということはないようだ。最果ての町にしてスマートフォン利用者も散見する。
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