四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第132回
ハープ業界の今を知り、今後を占うHandy Harp
20年前の紙を基に作られたiPadアプリは革命を起こせるか
2013年10月27日 12時00分更新
20年前に考案された「紙ハープペダル」がプロトタイプ
―― 光田さんは朝川さんが紙で作ったペダルを見て、このアプリを思いついたそうなんですが。
朝川 それは、これなんですよ。もうボロボロですが、わざと補修しないで持ってきました。こうやって動かして、ここで見るんですけど。
光田 わぁ、持ってきてくれたんですか。ありがとうございます!
佐野 さぁ、これは貴重ですよー。
―― つまりHandy Harpのプロトタイプなわけですね。この紙ペダルはいつ頃からお使いになられているんですか?
朝川 20年くらい前に考えたものなんですが、5年ほど使っているうちに、頭の中でペダルの位置と音の関係がビジュアルで考えられるようになって、使わなくなったんです。
―― このアプリは光田さんとおふたりで開発されたということですか?
光田 そうです。大体のひな形を作って、朝川さんに見せて、意見をいただいて、完成形に。
朝川 学研の付録で、ローマ字を覚える装置があったんですよ。窓があって「あいうえお」って書いてあって、回していくと、こっちにローマ字が「aiueo」と出るわけですよね。
佐野 ああ、ありましたね、そういうの!
―― しかしこの紙のペダル、計算尺みたいでカッコいいですね。
朝川 おお、それはまた古いものをご存知で。僕はソロバンを改造して、こういうものができたらいいなと。そしたら光田さんがアプリにしましょうと。
佐野 朝川さんは最初、ハードウェアをイメージされていたんですよね。
―― でもこれを見せられたら、確かにアプリは作りたくなりますね。
光田 ええ。すでに僕もハープの入力には困っていたわけじゃないですか。そこでハーピストも作家もハッピーになれるようなアプリを、と。
この連載の記事
-
第164回
トピックス
より真空管らしい音になるーーNutubeの特性と開発者の制御に迫る -
第163回
トピックス
超小型ヘッドアンプ「MV50」のCLEANは21世紀の再発明だった -
第162回
トピックス
欲しい音を出すため――極小ヘッドアンプ「MV50」音色設定に見る秘密 -
第161回
トピックス
最大出力50Wのヘッドアンプ「MV50」は自宅やバンドで使えるのか? -
第160回
トピックス
新型真空管「Nutube」搭載ヘッドアンプのサウンドはなにが違う? -
第159回
トピックス
開発で大喧嘩、新型真空管「Nutube」搭載超小型ヘッドアンプ「MV50」のこだわりを聞く -
第158回
トピックス
唯一無二の音、日本人製作家の最高ギターを販売店はどう見る? -
第157回
トピックス
「レッド・スペシャルにないものを」日本人製作家が作った最高のギター -
第156回
トピックス
QUEENブライアン・メイのギターを日本人製作家が作るまで -
第155回
トピックス
QUEENブライアン・メイのギターは常識破りの連続だった -
第154回
トピックス
てあしくちびるは日本の音楽シーンを打破する先端的ポップだ - この連載の一覧へ