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「iPad Air」「iPad mini Retina」—Appleスペシャルイベントレポート

2013年10月25日 23時00分更新

文● 鈴木淳也(Junya Suzuki)

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「OS X Mavericks」—省電力、メモリー圧縮、マルチディスプレー強化

 前回イベントでのメイントピックがiOS 7だったとすれば、今回前半部の主役は、MacとOS Xについてだろう。米Apple CEOのティム・クック(Tim Cook)氏は、ライバル(Microsoft)の近年のOSとプラットフォーム戦略について「ネットブックを持ち上げたかと思えば、また別のトレンドを追ったり」と迷走具合を揶揄しつつ、「Appleの戦略は明確だ」と述べ、ユーザーに対してベストなソリューションを提供していくのが一連の製品戦略だと強調すした。その同社にとっての最新作が「OS X Mavericks」であり、6月のWWDCでのプレビューと合わせて“復習”を行なった。

最初の話題はMacから

ライバル(Microsoft)のPC戦略を揶揄するCook氏。その点でAppleは一本筋が通っている点を強調する

米Appleソフトウェアエンジニアリグ担当SVPのCraig Federighi氏が登場してOS X Mavericksを解説

 Mavericksはバージョン的にはOS X 10.9であり、現行のMountain Lionの延長にあるマイナーアップデートだ。そのため見かけ上の変化は少ないものの、内部的にはいくつか大きな改良がある。

 ひとつは省電力サポートが強化された点で、例えばMountain Lionをプリインストールして登場した最新モデルのMacBook Airの場合、同OSを導入するだけでバッテリー駆動時間が全体に伸びる効果が期待できる。またメモリー圧縮機能により、実際の物理メモリーよりも多くのデータをメモリー上に保持できるためページアウトが発生しにくくなり、4GBメモリー搭載マシンなどでも比較的快適に利用できるようになるようだ。

省電力機能の強化されたMavericks。通常のWebブラウジングで1時間、iTunes動画再生で1.5時間駆動時間が伸びるという

メモリー圧縮技術により、4GB標準メモリーマシン等の少ないメモリー環境においても6GB相当のデータを保持することが可能になり、HDD(フラッシュストレージ)へのページアウトなしに快適動作が可能になる

CPU内蔵GPU(iGPU)利用時に、ダイナミックに使用メモリーを調節してビデオメモリー節約が可能になるという。そのため、通常であれば最大1GB必要になるビデオメモリー空間が、最小時には29MBで済むようになる。iGPUはメインメモリーとビデオメモリーを共有しているため、そのぶんがメインメモリーに割り当てられることになる

 そのほか、改良されたSafariの新機能やFinderに搭載されたタグ機能、より実用的になったマルチディスプレー対応など、ユーザビリティの面でも大きな変化がいくつかあるようだ。Apple MapsやiBooksなど、iOSではお馴染みのアプリが標準機能としてMavericksには搭載されている点も特徴だといえるだろう。

Safariの新機能「Shared Links」。システムレベルでTwitterやLinkedInにログインすることで、ブラウザー上にフォロー相手のツイートやアップデートを表示する。Webブラウザー上にタイムラインを表示するプラグインのような仕組み

Mountain Lionで導入された通知センター(Notification)がさらに進化し、通知の種類やそれに対するアクションが増えた。メールやショートメッセージに対する即リプライも可能になった

Finderの新機能「Tags」。各ファイルをタグで分類することが可能になり、項目ごとに簡単に目的のファイルを抽出できる。ひとつのファイルに対して複数のタグをつけることも可能

iOSでお馴染みのApple MapsやiBooksアプリがOS X用に移植され、デスクトップ環境で利用可能になった。画面はFly Overで3D地図によるルート表示をさせているところ

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