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スマホで始める「音楽アプリ部」 第19回

楽譜が読めない人と打ち込みができない人の橋渡しアプリになるかも

これは便利! 演奏するとiPadで楽譜が完成する魔法のアプリ

2013年10月26日 12時00分更新

文● 藤村亮

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MIDIデータの読み込み、PDFや写真データとして書き出しも可能

全音符から64分音符までの分解能。3連符やフラム(装飾音)も簡単に入力できます

 入力は鉛筆モードで五線譜をタップして直接書き込んでいく方法と、画面左下の鍵盤アイコンから、鍵盤モード、ギターモード、ベースモードでの入力を選べます。

 鉛筆モードで直接書き込んでいく際は、画面左側のアイコンで音符の長さを選び、ひとつひとつ打ち込んでいくだけ。付点やタイなども専用のアイコンが用意されているので、とても分かりやすく簡単です。先にも触れましたが、ベロシティの設定はありませんが、pp(ピアニッシモ)からff(フォルテシモ)までの強弱記号によって、演奏の強弱をつけることができます。

鍵盤でもギターでもベースでも、得意な楽器で書き込めます

 鍵盤モードでは画面下部に2オクターブ分(25鍵)の鍵盤が表示されます。ギター、ベースモードではともに24フレットまで用意されたネック上での打ち込みが可能。普段左手で押さえているポジションをタップすれば、そのまま音符として書き込んでいけます。TAB譜ありのテンプレートではTAB譜を入力すると同時に、上の五線譜にも音符が書き込まれていきます。

 画面左上の赤い録音ボタンをタップすると、リアルタイムレコーディングです。画面上の鍵盤では少し難しいですが、外部MIDI機器を接続して使えば、幅広い音域での入力が可能。ピアノ譜面の上下を同時に書き込んだりといった使い方もできるので、より便利になると思います。

iTunesを介してMIDIデータの読み込みもできます

 一般的なロックやポップスのレコーディング現場ではなかなかきちんとした「楽譜」を求められることは少ないと言えます。ですが、弦楽のカルテットやホーンセクションなどを生演奏でお迎えした際には各パートの譜面は必須。パートによっては見慣れたト音、ヘ音記号ではなく、ハ音記号で書かなければならないことも。そんな場合にもMIDIデータを読み込んで、それぞれのパートを書き出してしまえば簡単にパート譜ができ上がります。

メールに乗せたり、写真データにしたり。6つのフォーマットで書き出しできます

 作成した楽譜はPDFや写真データとして書き出すことができます。楽曲自体をAACファイルやMIDIデータとしても書き出せるので、デモ音源やMIDI制作のベースとしても使えるかと。

 リアルタイム録音の際にクオンタイズ(演奏リズムの微妙なズレを補正する機能)をかけられると、もっとスムーズに楽譜が作れそうです。バンド譜の中にTAB譜を2つ以上差し込めないのは少し残念。またトラックは無限に使用できますが、負荷の関係上、8トラック程度に留めた方が良いでしょう。

 普段あまり意識せずに弾いている音の流れを、楽譜というカタチで視覚的に把握してみることで、また何か違った発見があるかもしれません。



藤村 亮(ふじむら りょう)

photo by Shin Kobayashi

 1981年生まれ、Ibanez製7弦ギターを手に世界を渡り歩くロックミュージシャン。2006年にバンド"AciD FLavoR"の7弦ギタリストとしてメジャーデビュー。2008年よりベルギーのインディーズレーベルと契約し、"Ryo Fujimura"としてソロ活動を開始。ヨーロッパ最大の日本文化イベント"JapanExpo"や各国のJ-Musicイベントにゲスト参加した。2012年からは活動の幅をメキシコにも広げ、3度のライブツアーを敢行。2013年4月にロックバンド"流天"を結成し、作詞作曲を担当する。2013年11月には2年半ぶりのヨーロッパツアーが決定している。

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