大画面テレビに買い替えたら画像が粗い……
この問題を解決する「クアトロン プロ」
「クアトロン プロ」を商品化した理由について、同社のデジタル情報家電事業本部 液晶デジタルシステム第1事業部 第1商品企画部 部長の指出実氏に話を聞いた。
指出:「テレビの買い換えタイミングはおよそ8年ほどとなっており、薄型テレビの需要が大きく伸びた2005年にテレビを購入した多くのお客様が買い換える時期に来ています。その当時は32V型や40V型前半のサイズが多かったこともあり、50V型以上のより大きなサイズにしたいというニーズが高まっています
しかし、大画面化すると同じフルHDのままでは画素が大きくなるわけですから、映像が荒っぽく感じるというか、小さめの画面で見る緻密な印象が減り、甘い映像に感じがちです。4Kテレビが登場した理由のひとつも大画面にふさわしい精細感のためですが、これを従来のフルHDテレビの高級機の価格で実現できれば、より手の届きやすいものとなると思います」
たしかに大画面で映像が大味な印象になってしまう傾向はあるが、だからといってすべての人が一気に4Kテレビに移行するかというと、価格の問題も含めて難しいだろう。XL10のアプローチはその点において、フルHDと4Kテレビのすき間を埋めるユニークな提案と言える。
また、4Kテレビを購入したものの、リビングの中でテレビを置く位置自体は大きく変わっていない場合も多い。よほど画質にこだわる人でない限り、ソファの位置をテレビにぐっと近づけるような模様替えをすることはないだろう。広い部屋を狭苦しく使うのも住みづらいし、何より奥様が許さない。4Kらしさは近接視聴でこそ違いがわかるもので、3Hどころかもっと遠い距離から見るのでは、フルHDとの差はどんどん小さくなる。
リビングで余裕のある距離にテレビを置き、それにふさわしい画面サイズのテレビが欲しいという、一般的なユーザーのニーズにXL10は実に適していると思う。
逆に、46V型というサイズで4K相当の映像が楽しめる「LC-46XL10」にはまた違った魅力があると思える。現実的には決して不可能ではないが、10万円未満の製品が多い40V型前半のサイズで4Kテレビを各社が投入できるのは当分先だろう。値頃感のある価格と使いやすいサイズである40V型以下のクラスでは、1インチ=1万円の価格だとしてもかなり割高な印象になるだろうから。
すなわち、当分先になる使いやすいサイズで4K画質が得られるテレビとしての価値観だ。さすがにPCモニター的な近接視聴は厳しいと思うし、ゲーム用として使うならば表示遅延も気になる(このあたりは個人的にも確認してみたい)。
とはいえ、プライベートルームに置けるサイズで、4K品質が得られるというのはなかなか魅力的だ。リビングに置く大画面テレビがXL10の基本的な立ち位置だと思うが、案外46V型モデルの人気も高そうに感じる。要望が大きければ40V型などのサイズの登場にも期待できるだろう。