NTTドコモは、2013年度第2四半期の決算と今後の取り組みについて記者会見を開催。同社代表取締役社長 加藤 薫氏が説明を行なった。
スマートフォンの販売に成果あり
今後はネットワークやサービスなどの「総合力」で勝負

まず2013年上期の営業収益は2兆1990億円(前年同期2兆2073億円)、営業利益は4732億円(同4711億円)と減収増益となった。これについて加藤社長は、「年間の利益目標達成に向けて、順調な進捗という理解をしている」とし、スマートフォンの利用者数、Xiの契約数も順調に増加していると評価した。
特に、今期は「スマートフォンの販売に注力した」(加藤社長)ということもあり、総販売数は減少しているが、スマートフォンの販売数はほぼ前年並み。販売比率にして約60%になっている。
今後の取り組みに関して加藤社長が強調したのは、「キャリアの総合力が問われる」という点だ。総合力とは、デバイス、ネットワーク、サービスに、料金・チャネルを加えたものだという。
デバイスは、大きな話題となったiPhone 5s/iPhone 5cはもちろんのこと、“3台のオススメ機種”が話題の、Androidの冬モデルで販売力に厚みを増していく。
ネットワークについては、4つの周波数帯でLTEを展開する「クアッドバンドLTE」のエリア展開、特に1.7GHz帯を使った最大150Mbpsのエリアを拡大することによって、今後の巻き返しを図る。ドコモの冬モデルの多くは下り最大150Mbpsに対応しているため、対応エリアならこれらの端末で高速な通信速度を実感できそうだ。
サービス面では、「ドコモメール」や、以前からを力を入れている独自サービス「dマーケット」の利用者増加をアピール。とくにdマーケットがiPhoneで使えることに触れ、「他社のiPhoneにはない楽しさ、便利さを多くのお客さまに体感いただきたい」(加藤社長)と力を込めた。
料金・チャネルに関しては、長期利用者向けの施策充実や、ドコモを使っていたことのある他社ユーザーがポートインする際に利用できる「ドコモへおかえり割」などの取り組みを説明。様々な顧客のニーズに応えられるとしたほか、自社の独自調査でドコモショップが各キャリアショップの中で総合満足度1位になったことを合わせて紹介した。
これらの要素を合わせた総合力において、加藤社長は「ナンバーワンの価値を提供することができると自負している」と胸を張った。また、ABC HDとの資本提携なども発表。今後も新領域への取組を強化していくことが強調された。
ツートップ戦略とiPhoneに手応え
iPad販売については期待薄か?

質疑応答では、やはりツートップ戦略とiPhone販売についての質問が多かった。ツートップに関しては、「コスト削減においても、お客さまがフィーチャーフォンから移行するにおいても、大きな効果があった」と説明。今後はiPhone/Androidの冬モデルで、スマートフォンの販売をより加速するとともに、他社へのポートアウトを抑え、解約率の低減をねらう考えを示した。
一方で、iPhone 5sの在庫状況については「予約で待っていただいているお客さまがたくさんいるのは事実。ご迷惑をおかけしていることをお詫びしたい」。iPhone 5sや、冬モデルの一つであるXperia Z1の端末価格が他社よりも高いのではという質問には、「月々サポートの影響やARPUの推移、新規販売数・純増数などを注視しながら考えていきたい」とした。
また、docomo IDをスマホから独立させて、他キャリアでもdマーケットなどのドコモのサービスを使えるようにするのは、差別化にならないのでは……という質問も。それに対しては、「コンテンツが強みになる。MNPがしやすくなるという声もあるが、そういう心配をしても仕方がない」と発言。他キャリアのユーザーでもドコモのサービスを選んでくれる、そして端末やネットワークなどを含めた総合力ではドコモを選んでくれる……という自信を見せた。
なお、iPadの販売については「魅力的なタブレットだと思っており、社内でも検討中。それ以上申し上げることはない」と、はっきりしたコメントはなかった。
