10月17日20時より、Windows 8.1の配布が開始された。配布はWindowsストア経由で、既存のWindows 8.0ユーザーは無料でアップグレードができる。ただし、Windowsストアからアップグレードができるのは、Windows 8.0正式版のみで、8.1プレビュー版からのアップグレードはできない。

Windows 8.1へのアップデートが可能な条件を満たしており、ウィンドウズアップデートでKB2871389が組み込まれると、Windowsストアに8.1の案内が表示されるようになる
無料でアップグレードするためには、メーカー製PCならば本来の状態に戻さないといけない。ストアに8.1アップグレードが表示されるのは、原則Windows 8.0マシンだけである。Windows 8.0でも、MSDNやTechnetサブスクリプションから入手したISOイメージでインストールしたWindows 8.0や8.1プレビュー版ではアップデートができない。
具体的には「KB2871389」というWindows Updateがインストールされることで、ストアにWindows 8.1が表示されるようになる。8.1へのアップグレード条件を満たしているはずなのに、いつまでたっても、ストアに8.1が表示されない場合、手動でWindows Updateのチェックを行ない、アップデートを適用しておこう。
なお、WindowsストアのWindows 8.1のアップグレードのページは、以下のURLで表示可能だ。IEのアドレスバーにこのURLを入れると、Windowsストアアプリが起動し、アップデートのページが表示される。
ms-windows-store:WindowsUpgrade
アップデートが適用されない場合、このURL(http://support.microsoft.com/kb/2871389/ja)のページからパッケージをダウンロードする。
ダウンロードしたパッケージファイルをインストールすれば、ストアに8.1のアップグレードが表示されるはずだが、「この更新プログラムはお使いのコンピュータには適用できません」と表示される場合、無償アップグレード条件を満たしていないことになる。
もし、購入時にWindows 8.0だったメーカー製PCの場合には、回復パーティションや8.1プレビューをインストールする前に作成した回復ドライブなどを使って、購入時の状態に戻すしかない。8.1プレビュー版は回復パーティションを書き換えないので、メーカー製PCであれば、まず復帰は可能だと思われる。
Windows RTのアップデートが大変な状態に
現状問題があるのが、Windows RTのマシンだ。まず現時点でWindows RT用の8.1正式版の配布が停止している。つまり、Surface RTなどのWindows RTマシンは、現状アップグレードできない状態になっている。
Windows RT版はISOファイルの配布がなく、ストアからのアップデートしか方法がない。このため、8.1プレビュー版から元に戻すためには、あらかじめバックアップしておいた回復ドライブでWindowsRT 8.0に戻し、それからストア経由でアップデートを行う。
ただ、バックアップしていないユーザーのために、マイクロソフトは、Windows Updateでモジュールを配布しており、これをインストールすれば、8.1プレビュー版が動作しているマシンでも、ストアに8.1アップグレードが出るようになるという。そのためには、Windows Updateを行ない、インストール可能なすべてのWindows RT 8.1プレビュー用のアップデートをしておく必要がある。
しかし、筆者は、この手順でWindows RT 8.1正式版へのアップグレードができなかった。理由はWindwos 8.1の正式配布が始まったあとに、PCのリセット(いわゆるシステムの再インストール)を行ったからだ。このリセット後にWindowsRT 8.1プレビューのアクティベーションができず、非正規状態になったのだ。非正規状態ではデスクトップのバックグラウンドは真っ黒なままになり、壁紙を指定しても黒いままとなる。
アクティベーションが完了しないと、正式版とならず、Windowsアップデートができない。このため、8.1の正式版へのアップグレードにも進まないし、かといってプレビュー版は非正規状態のままである。
8.1プレビュー版のアクティベーションができないのは、サーバー過負荷などによる一時的な現象なのか、方針としてそうなったのかは不明だが、Windows RTマシンで8.1プレビュー版を動かしている方は、安全のためリセット(初期化)を行わないほうがいいようだ。
このような場合に陥ったとき、回復できる方法は、回復ドライブを使って、システムイメージを強制的に書き換える方法だけだ。なお、回復ドライブは同じ機種なら別のマシンで作ったものも利用できる。蛇足ながら、日本で販売されているSurfaceは、英語版Surfaceとはイメージが違う。システムの言語や付属のオフィスのライセンス形態が違うこと、英語版イメージには日本語フォントやIMEなどが含まれていないなど違いがある。

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