デザインも洗練され魅力が増したNECパーソナルコンピュータのモバイルノート
脅威の軽さ!IGZO搭載で795gの13.3型ノート「Lavie Z」
2013年10月24日 11時00分更新
NECパーソナルコンピュータが薄型軽量ノート「Lavie Z」の新モデルを発表した(NECダイレクトモデルは「LaVie G タイプZ」)。前モデルも軽量マシンとして話題になったが、新モデルでは本体重量が約795gとさらに軽量化。デザインも洗練された上にIGZO搭載と、かなり魅力的なマシンになった。
タッチディスプレー搭載モデルも同時に発売されているが、今回はスタンダードなノートPCの方を取り上げる。なお、試用しているのは発売前の試作機であるため、製品版とは多少違っている可能性があることをご了承いただきたい。
「空っぽ」に感じる驚異的な軽さ
本体デザイン的には直線的でシャープであり、薄さは感じるが見た目にはごく普通の薄型ノートPCだ。13.3型ディスプレー搭載で、本体サイズは幅319×奥行き217×高さ14.9mm。特別に小さいというわけではない。
しかし、「Lavie Z」を持った時の印象は鮮烈だ。大きさなりの重さを予測して持つと、実際の重さとの違いにビックリした。最初は外見だけを作り込んだモックアップなのかと疑ったほどだ。中身が詰まっているという充実感がまったくなく、空の外装だけにしても軽いと感じるほどだった。サイズ感としてはA4よりも一回り大きく、ちょうどA4用紙が入れ込めるファイルのような感覚なのだが、書類をつめた同じ厚さのファイルより軽いくらいだ。
非常に軽く薄いわけだが、極端な華奢さはない。端の方を片手で持っても本体全体がたわむようなことはもちろんなく、手応えはしっかりしている。軽さと不安のない手応えのおかげで、本体を片手で持って扇いだりできるのが面白い。
前モデルよりもシャープさが増したデザイン
今回の「Lavie Z」のボトムケースがマグネシウムリチウム合金なのは従来モデルどおりだが、トップカバーはマグネシウム合金ダイカストを採用している。以前にはトップカバーの端がアンテナラインとして樹脂作られていたが、素材がマグネシウムと樹脂のハイブリッド成形になったことで完全にフラットになった。おかげで、だいぶすっきりとシャープな外観になっている。
ボディはマットな質感で、さらさらとした手触りだ。トップカバーのロゴもシンプルなプリントで、全体的にシンプルな形でまとめられている。底面には通気口とともに、設置時に本体を安定させる足も取り付けられているが、ごちゃごちゃした感じにはなっていない。少々地味な印象ではあるが、誰が持っても違和感がなさそうなのはよい。
付属するACアダプタは電源コードなしだと約192gと軽いスリムタイプだ。本体とともに持ち歩いてもそれほど邪魔にはならないだろう。
IGZO採用で13.3型ディスプレーがさらに広く!
「Lavie Z」新モデルでは、液晶パネルとしてIGZOを採用したのも目玉となっている。最高表示解像度は2560×1440ドット。13.3型ディスプレーで最高解像度表示にすると、アイコンに添えられた文字などは小さすぎると感じるほどだ。
デスクトップ画面には「表示サイズの設定」というショートカットが表示されている。これはWindowsの標準機能である表示サイズ調整機能へのショートカットだ。クリックすると直接設定画面が表示される。
スライドバーで4段階に調整できるが、一部の表示サイズはWindowsを再起動しないと反映されない。試用機ではスライドバーで調整して「適用」をクリックすると、デスクトップアイコンなどの表示サイズは元のままでウィンドウサイズ等だけが変更された。作業用画面を広くするのならこれで十分なので、再起動せずに気軽に使えるのも面白い。
表示サイズの変更だけでなく、もちろん表示解像度の変更もできる。解像度設定と表示サイズ設定を組み合わせるとユーザーごとに細かく好みの表示サイズにすることができそうだ。
ディスプレーパネルはノングレアタイプだ。反射がないため長時間利用時に目が疲れづらいのはもちろん、外出先で使われることの多いモバイルマシンにとって、陽光や蛍光灯の位置をあまり気にせずに利用できるのもうれしいところだ。
薄型でもしっかり使えるキーボード
「Lavie Z」のキーボードはアイソレーションタイプを採用している。キーピッチは18mmと若干狭めではあるがほとんど違和感はない。配列に変形がないのはもちろん、小型マシンで犠牲にされがちな右下部分の、かな入力だと「ね」から「ろ」のあたりも不自然な形にはなっていない。ローマ字入力だけでなく、かな入力のユーザーにも扱いやすそうだ。
キーストロークは1.2mmで、見た目から想像するよりはしっかりと押し込むことができるという印象だった。強めのタッチで利用してもキーボードまわりが大きくたわむようなことはなく、快適に利用することができた。
タッチパッドはボタン一体型のものが搭載されている。さらさらと指滑りがよく、反応も悪くない。全体的に扱いやすいマシンだと感じられた。
インターフェイスは最小限ながら必要十分
「Lavie Z」は薄型マシンだけに、インターフェイスは絞り込まれている。本体左側にはSDメモリカードスロットと通気口があるだけだ。
右側にはヘッドフォン端子、USB3.0端子×2、HDMI端子、電源コネクタが並ぶ。各端子が適度に離れており、利用時に接続したケーブルや機器同士が干渉することが少なそうなのがよい。
数は少ないが、スマートフォンなどの充電や各種周辺機器との接続に利用するUSB端子は2つ用意されているし、HDMIによる外部ディスプレー出力ある。必要なものはそろっていると考えてよいのではないだろうか。
メモリ4GB固定は寂しいが利用感は軽快
今回の「Lavie Z」試用機の構成は、CPUにIntel Core i7-4500Uを採用し、4GBのメモリと約256GBのSSDを組み合わせたものだ。この構成でベンチマークによる性能評価を実施した。
Windows 8.1では快適さの指標となるWindowsエクスペリエンスインデックスが実行できないため過去のモデルと比較しづらいが、PCの総合的なパワーを判断する「PCMark 7」では悪くない結果が出た。メモリ容量が少ないながら、全体的なバランスはよいというイメージだ。ディスクアクセス速度をはかる「CrystalDiskMark 3.0.2」の結果もよい。
3D性能を計測するベンチマーク「3DMark 11」のスコアはよくないが、グラフィックス機能がCPU内蔵のインテルHDグラフィックス 4400であることを考えると妥当なところだろう。
実際に使った感覚としては、非常にキビキビしている。CPUパワーとSSDの高速なアクセスのおかげで、特に負荷がかかるような処理をしない限り快適に利用できるという感想だ。メモリ容量は最近のマシンとしては寂しいが、ドキュメント制作や閲覧などがメインの使い方ならばまず困ることはなさそうだ。
バッテリー駆動時間については、電源オプションを高パフォーマンスに設定し、無線LAN機能もオンにした状態で「BBench」を利用して計測したところ、3時間59分29秒使うことができた。省電力な設定にすれば、外出中に遠慮なく使うことができそうだ。
主なスペック | ||
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製品名 | 「Lavie Z」 | |
型名 | PC-LZ750NSB(評価機) | PC-LZ550NSB |
店頭想定価格 | オープンプライス(店頭想定価格18万5000円前後) | オープンプライス(店頭想定価格16万円前後) |
CPU | Intel Core i7-4500U(1.80GHz) | Intel Core i5-4200U(1.60GHz) |
メインメモリー(最大) | 4GB PC3L-12800(4GB) | |
ディスプレー(最大解像度) | IGZOパネル採用、13.3型(2560×1440ドット) | |
グラフィックス機能 | Intel HD Graphics 4400(CPU内蔵) | |
ストレージ | 約256GB SSD | 約128GB SSD |
光学式ドライブ | - | |
通信機能 | 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Wi-Fi Direct対応 | |
インターフェース | USB 3.0端子×2、HDMI端子、Bluetooth 4.0、92万画素ウェブカメラ | |
カードスロット | SD/SDHC/SDXC対応メモリーカードスロット | |
テレビ機能 | - | |
サウンド機能 | ステレオスピーカー(1W+1W) | |
本体サイズ/重量 | 約幅319×奥行き217×高さ14.9mm/約795g | |
バッテリー駆動時間 | 約9.2時間 | |
オフィスソフト | Microsoft Office Home and Business 2013 | |
OS | Windows 8.1(64bit) |