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業界人の《ことば》から 第60回

経営に顧客が影響を与える76%、知るデジタル戦略はない51%

2013年10月16日 09時00分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「情報は21世紀の天然資源である。これをうまく使った人が勝者になる。そして、情報活用によって、平均的という概念が終わる」
(米IBM ジニー・ロメッティ会長・社長兼CEO)

統計解析の時代だからこそ
平均値ではなく1対1のマーティングが重要だ

 日本アイ・ビー・エムは、10月7日、「THINK Forum Japan 2013」を開催した。

 「THINK for a Smarter Japan - The Leadership Agenda」をテーマに、国内のIBMユーザーのビジネスリーダー約360人が参加したイベントで、米IBMコーポレーションのジニー・ロメッティ会長・社長兼CEOが講演およびパネルディスカッションに参加。

パネルディスカッション

 ロメッティ会長は、「これからの時代は、企業はスマーターエンタープライズにならなくてはならない。すべての企業は、意思決定を大量の情報とその分析をもとにして行うこと、価値を創造するために、インテリジェンスを重視すること、事業の価値は、市場全体に平均的に提供するのではなく、個人に対して提供しなくてはならない」と語った。

 また、「大量のデータによって、企業は、多くの社員、多くの消費者の状況を詳しく知ることができる。しかし、その結果から平均値を出して、顧客対応してはいけない。これから求められるのは1対1のマーケティングである」としながら、「だが、それをやりたくても実現できない企業が多いのが実態である。理由は、情報インフラが整っていないためだ。多くの企業が、1対1のマーケティングを行う体制を持っていない」と指摘した。

 さらに、「情報は21世紀の新たな天然資源になる。これを活用しなくてはならない」とし、「大切なのは情報であって、データではない。価値の無いたくさんのデータから、洞察を得た結果が情報。資源は、地中から掘り出したままでは使えない。それと同じで、大量のデータから情報を生み出すことが必要だ。かつて、天然資源をうまく使えるようにした人が勝者になったように、データを上手に加工する人が勝者になる」と断言した。

日本IBMの変革は進展している、と笑顔

マーティン・イェッター社長

 一方、イベントに先立って行われた報道関係者向けの会見では、日本IBMのマーティン・イェッター社長は、同社の事業戦略の進捗状況などについて説明。そのなかで、日本IBMの変革が進展していることを強調した。

 「私は、1年前に4つの支社を新設した。これは、顧客の近くでビジネスを行うための取り組みであり、その成果があがっている。また、クラウドやビッグデータの活用など、日本におけるコンテンツに対して投資を行い、成長分野に特化してきた。さらに、人財に対する投資として、4000人の社員に対してモバイルデバイスを活用した新たな研修手法を導入。この研修手法は、日本発の仕組みとして世界に展開している」などと語る。

 そして、「やるべきことはまだ多い。だが、日本IBMの事業を安定化させることができている」と手応えを示し、「今日の私の顔をみてください。笑顔でしょう。それは、日本IBMの変革への取り組みが成果となっているからです」とその成果に自信をみせた。

日本IBMの戦略

 日本IBMの業績は、右肩下がりが続いてきた。売上高は過去10年で半減した。それに歯止めをかけることができているのか。日本IBMの業績は、年に一度しか発表されないため、2013年12月締めの業績発表を待たなくてはならないが、それがどんな形になっているのかが注目される。

日本IBMの業績推移(単位・億円)
年度 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012 8499 97.9% 965 97.8% 942 100.2% 422 155.1%
2011 8681 92.6% 987 77.0% 940 75.7% 272 35.2%
2010 9377 98.2% 1282 107.0% 1242 110.1% 773 105.9%
2009 9545 84.3% 1198 78.4% 1128 73.1% 730 75.5%
2008 11329 95.0% 1529 102.3% 1543 100.2% 967 102.9%
2007 11926 99.9% 1494 110.0% 1540 110.8% 940 117.9%
2011 8681 92.6% 987 77.0% 940 75.7% 272 35.2%
2010 9377 98.2% 1282 107.0% 1242 110.1% 773 105.9%
2009 9545 84.3% 1198 78.4% 1128 73.1% 730 75.5%
2008 11329 95.0% 1529 102.3% 1543 100.2% 967 102.9%
2007 11926 99.9% 1494 110.0% 1540 110.8% 940 117.9%
2006 11932 91.6% 1358 110.7% 1390 116.7% 797 90.9%
2005 13026 89.2% 1227 80.8% 1191 78.8% 877 103.3%
2004 14609 97.5% 1519 103.3% 1511 100.9% 849 107.2%
2003 14979 94.6% 1470 87.9% 1498 90.0% 792 83.4%
2002 15834 92.7% 1673 92.5% 1665 96.4% 950 89.6%
2001 17075 103.9% 1809 98.9% 1728 94.9% 1060 99.8%
2000 16438 111.3% 1829 - 1820 152.9% 1062 96.7%
1999 14770 - - - 1190 - 1098 -

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