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止められないクラウドに「clustered Data ONTAP」 第3回

クラウド事業者のストレージ運用負荷を大幅に軽減!

clustered Data ONTAPで止まらないクラウドを目指すIIJ

2013年11月27日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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無停止サービス、QoS、フラッシュなどさまざまな魅力

 山本氏がclustered Data ONTAPを評価した点は、やはり無停止でアップデートや拡張を行なえる点だ。「FASを導入して、10Gbpsのクラスターネットワークにつなげば、それだけで性能、容量の増強が可能です。(Ethernetクラスターのため)さらに、Vシリーズをclustered Data ONTAPで採用した場合だと、ディスクシェルフの増設がSASケーブルの長さに依存するという物理的な障壁も打破できます」(山本氏)。また、ダウンタイムの削減という意味では、アグリゲートのオーナーをオンラインで変更できる「アグリゲート・リアロケート」という機能も魅力的だという。

 山本氏は、「IIJ GIOのお客様はどんどん拡がっていきます。このまま7-ModeのFASが増えていくと、3年後の移行はさらに時間とコストがかかることになるでしょう。移行に大きな時間とコスト発生させてしまうと、本来、私達の目的であるサービス開発に必要なリソースを割くことができなくなります。しかし、clustered Data ONTAPであれば、ノードを増やすのも短期間で済みます。移行期間が現在予想している1年から、今後は1ヶ月に縮まるかもしれないし、もはや調整をせずに、リプレースが完了しているかもしれません」と語る。さらに、開発に必要なリソースと時間の確保が可能になると、clustered Data ONTAPに対して期待する。

「お客様の要件でクラウドはどんどん拡がっていきます」(山本氏)

 また、LUやボリューム単位でパフォーマンスの上限を設定できるQoSも導入ポイントだ。「シェアードサービスで大事なのは、やはりI/Oです。サービスとしての均一性を保てないと、結局は要求するI/Oは早いもの勝ち。どうしても不公平感が出てしまいます」(山本氏)。これに対してQoSを使うと、帯域の上限値を指定でき、I/Oの均一性が保てるようになる。

 土岐田氏は、サービス戦略という観点から「QoSで帯域を設定すると、ベストエフォートのI/Oでサービスを提供している他社サービスと比べた場合、たまたま他社の負荷か低ければパフォーマンスで負けてしまうことがあります。しかし、IIJ GIOは、波のあるパフォーマンスより、お客様と契約した分のパフォーマンスをきちんと出すという公平性を重視しています。お客様に対して、数値を見せて納得してもらうためにも、QoSは評価したい機能です」と述べる。

 さらに高速なフラッシュが利用できるのも、clustered Data ONTAPの大きなメリット。7-modeでも使用してたが、IIJでは8.1.1以降でサポートされている「Flash Cache」をFAS 3250に導入することで、従来モデルに比べて格段に高いパフォーマンスを実現している。今後は、書き込み性能を向上させるFlash Poolの導入も検討しているとのことだ。

ネットアップの機能を最大限に活用

 このように高い評価を得るclustered Data ONTAPだが、使い勝手や新しい機能に関してはとまどいもあったという。「7-Modeとはコマンド体系ががらっと変わっていました。またVserver(現SVM:Storage VM)や論理インターフェイスのLIF、あるいはグローバルネームスペースなどclustered Data ONTAPならではの概念も覚えなければなりません。初めは違和感を持った人もいたようです」(山本氏)。

 特にIIJ社内で大きかったのは「ベンダーロックイン」の懸念だ。特にIIJの場合、マルチベンダーで製品やネットワークを調達する方針があった。しかし、山本氏はその懸念を踏まえ、あえてベンダーロックインになる前提で決断したという。「clustered Data ONTAPの選定は、ベンダーロックインのリスク以上に、十分な機能を提供している機器だからです。逆に今までは、今後の機器リプレースなどを念頭に、オープンやマルチベンダーを意識しすぎて、せっかくのストレージ機能も4割程度しか使っていませんでした。clustered Data ONTAPに決めたからには、腰を据えて、機能を最大限に活用し、お客様に機能の提供を行いたいと考えています」(山本氏)と語る。こうした決断をできたのは、運用管理の負荷を軽減するというネットアップの将来的なビジョンに共感できたから、そしてネットアップ日本法人のレスポンスがきわめて良好だったからだという。

 とはいえ、山本氏自身が主体となってclustered Data ONTAPを選択したこともあり、誰よりも厳しく注文を付ける。「最大128というLIFの数は、クラウドサービス事業者としてはまだまだ足りません。QoSの上限だけではなく、下限の設定、あるいはリード/ライトごとのきめ細かい設定ができるようにしてもらいたい」(山本氏)。しかし、こうしたスペシャリストの意見により、clustered Data ONTAPはますますレベルアップされることになるはずだ。

 今後の予定としては、来年の中旬までに7-Modeのユーザーをclustered Data ONTAPにマイグレーションしていく作業を進めつつ、高速なSMB 3.0を用いたCIFSの活用やDR・広域分散のニーズに応えるサービス拡張も検討している。「今年度はさらにブラッシュアップして、お客様に良いサービスを提供していきたいと思います」(山本氏)。

(提供:ネットアップ)

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