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山市良の「企業ユーザーはここに注目しよう!Windows 8.1の新機能」 最終回

Enterpriseエディション限定機能、8.1ではWindowsストアの使用制限も解除

Windows 8.1を持ち歩く「Windows To Go」の活用と注意点

2013年10月10日 08時00分更新

文● 山市良

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USBメモリではなく“USBドライブ”が必要なので注意

 ここで、Windows To Goで使えるUSBドライブについての注意点を書いておこう。

 Windows To Goワークスペースを作成するには、Windows To Goに対応したUSBドライブが必要になる。マイクロソフトが公式にサポートしているのは下記Webページで公開されている「Windows To Go認定ドライブ」だが、認定されていないUSBドライブでも作成することはできる。ハードウェア要件としては、20GB以上のサイズで、USB 3.0(推奨)またはUSB 2.0に対応したUSBドライブと考えればよいだろう。

Windows To Go: 機能の概要 > Windows To Goのハードウェアに関する考慮事項
http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/hh831833.aspx#wtg_hardware

 しばしば“Windows To GoはUSBメモリで持ち歩けるWindows”と表現されることがあるが、この表現は誤解を招くおそれがある。筆者はここまで「USBメモリ」ではなく「USBドライブ」と書いてきた。実は量販店で安売りされているような一般的なUSBメモリは、たとえ大容量でUSB 3.0対応、超高速が売りの製品であっても、大半はWindows To Go用USBメモリとしては使用できない。

 別の言い方をすると、Windowsに「リムーバブルディスク」として認識されるタイプのUSBメモリは、Windows To Goには使用できない。Windows To Goのためには、複数のパーティションを作成できる「ベーシックディスク」として認識されるUSBドライブでなければならない。Windows To Goで使うUSBドライブは、350MBのFAT32パーティションと残りのNTFSパーティションに分割され、350MBのパーティションにはシステムのブート環境が、残りのNTFSパーティションにはWindowsイメージが展開される(暗号化されるのはNTFSパーティションだけ)。Windowsは「リムーバブルディスク」に複数のパーティションを作成できないため、一般的なUSBメモリをWindows To Goに使うことはできないのである。

 一方でUSB接続の外付けハードディスクであれば、Windows To Go認定デバイスでなくても、USB 3.0に対応していなくても、Windows To Goワークスペース用に使用することが可能だ。もちろん、USBハードディスクは認定デバイスに含まれていないので、マイクロソフトのサポート対象外となる。

一般的なUSBメモリをWindows To Goに使うことはできないので、必ず対応している製品を選ぶこと。一方でUSBハードディスクであれば(サポート対象外だが)使うことができる

(→次ページ、ライセンスはちょっと複雑、Windowsストアの使用制限は8.1で解除)

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