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痛車でラリー! メロンからプラムへ~新たなる挑戦! 第5回

諏訪姫ランサー、今シーズン最後の戦いは京都!

2013年10月09日 17時43分更新

文● 中村信博 ●撮影/Alfred Vorgan、shino-p

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高速ターマックに挑戦のデイ1

 8月24日、デイ1。朝からどんよりした雲が覆っていて、今にも一雨来そうな空模様だ。9時6分、ゼッケン7をつけた諏訪姫ランサーが丹後文化会館サービスパークをスタート。いよいよ丹後半島の超高速ターマックロードに挑戦する!

午前9時。JN-4クラスより1分おきに、丹後文化会館サービスパークをスタート。多くの人に見守られながら諏訪姫ランサーも出発していく

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS1/奥寄線Ⅰ
(4.54km)
3:24.4(+6.1)3:24.4(+6.1)
SS2/成相線Ⅰ
(8.24km)
7:36.7(+12.5)11:01.1(+17.9)
SS3/角突山線Ⅰ
(9.58km)
7:18.9(+13.4)18:20.0(+31.3)

 まずはSS1、様子見でペースを控えめにアタックした諏訪姫ランサーは、クラス10番手タイム。しかしSS2からアタックモードに切り替わり、5番手タイムを叩きだして一気にクラス5位の位置へ。初めてのターマックラリーとしては上々の滑り出しだ。今回のイベントではクラス6位入賞を目標にしているが、このまま順調に行けば入賞圏内に残ることができるはずだ。

諏訪姫ランサー、本日最初のサービスAに到着。ソフトコンパウンドからミドルへとタイヤを交換するだけで送り出すことが出来た

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS4/奥寄線II
(4.54km)
3:22.4(+5.0)21:42.4(+34.5)
SS5/成相線II
(8.24km)
7:45.1(+14.8)29:27.5(+45.9)
SS6/角突山線II
(9.58km)
7:23.7(+21.7)36:51.2(+1:04.8)

 デイ1、2ループ目。依然として諏訪姫ランサーは、JN-4クラス中段グループのタイムをコンスタントに刻み続ける。SS6では中盤から雨が降り始めたために、ペースを落として8番時計となったが、クラス総合タイムでは6番手をキープしている。

 よしよし、これは予想以上の好走だ。先頭グループには及ぶべくも無いが、中段グループでなら充分に勝負ができている。今年は出場するイベントを選んでのスケジュールだけど、もしもシリーズを追いかける場合でも、これなら戦略の立てようはある。桑田選手にとっても、今後のための大きな経験となるはずだ。

サービスBに到着した諏訪姫ランサー。問題はまったくない。まさか、このあとであんな事が起ころうとは!

 このままいけば5~6位あたりでフィニッシュすることができそうだけど、そうは簡単に行かないところがラリーというモータースポーツの怖いところ。それは2回目のサービスを終わり、3ループ目に舞台が移ったところで発生した!

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS7/成相線III
(8.24km)
8:29.7(+1:09.7)45:20.9(+2:14.5)
SS8/角突山線III
(9.58km)
8:13.5(+1:21.1)53:34.4(+3:35.6)

 SSタイムを表示している速報サイトを見ていた筆者の手が止まった。それまでの定位置だったJN-4中段グループに、諏訪姫ランサーの名前が無い。しばらくして、トップタイムから1分以上も遅れたJN-4クラス最下位の位置に、諏訪姫ランサーの名前が表示される。途中でスピンでもして、復帰に時間がかかったのか……?

 ところが、事態は予想外に深刻だったのである。クルーからの連絡によると、SS7スタート直後にタービンが破損。SS7と8の2本のステージをノンターボの状態で走りきったというのだ。この報告を受けて、サポート隊ではタービン交換も視野に入れた検討を開始。心配なのは、タービンを固定しているボルトの状態が予想以上に悪いことだった。

やっとの思いで1日目最終のサービスCに到着。大きなリスクを背負ってタービン交換は出来ない。桑田選手には明日もノンターボで走ってもらうことに……!

 トップスピードで走っているときのタービンは、1000度近い猛烈な高温に晒される。当然それはボルトにも伝わっていて、熱で膨張したボルトは穴にがっちりと“焼き付いた”状態になっている。無理に外そうとすると途中で折損してしまう恐れがあり、そうなるとここにある機材だけでは対応できず、万事休すとなってしまうのだ。ボルト折損のリスクを覚悟の上で交換に踏み切るか、それともノンターボのまま明日のステージを走るか……?

 そしてサポート隊の下した結論は、このままタービン無交換で2日目も走ることだった。たとえタービンを交換したとしても、すでに3ループ目の2本のステージで2分以上のタイム差を抱え込んでおり、入賞圏内への復帰はほぼ不可能。それならばノンターボでも出走して、日曜日に観戦にやってくるファンに少しでも諏訪姫ランサーの走っている姿を見せるのがいちばん良いはずだ。

SS(距離) ステージタイム(トップ差) クラス総合タイム(トップ差)
SS9/大内線Ⅰ
(5.15km)
4:28.4(+48.5)58:02.8(+4:15.0)
SS10/成相線IV
(8.24km)
9:01.6(+1:38.1)1:07:04.4(+5:53.1)
SS11/角突山線IV
(9.58km)
8:56.7(+1:50.8)1:16:01.1(+7:43.9)
SS12/成相線V
(8.24km)
8:55.9(+1:36.7)1:24:57.0(+9:15.8)
SS13/角突山線V
(9.58km)
8:21.7(+1:21.6)1:33:18.7(+10.37.4)

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