四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第130回
「なんにもないところで演奏するのは本当に幸せ」
初めてのお客さんが40%—東京ではあり得なかったライブの今後
2013年10月05日 12時00分更新
ニコ動界隈出身のバンドによる東北ライブツアー「このへんで一番旨いものをよこせ」、略して「このうま」の第2回が行なわれる。主催はプロの音響マンとして全国のライブ会場を飛び回る、有限会社パブリックアドレス代表の武井一雄さん。
第1回のこのうまツアーには私も同行したが、大型バスを貸し切り、バンドと機材を載せてライブハウスを回り、その土地の美味しいものを食べて帰ってくるというツアーは、期待通りの楽しいイベントだった。
11月1日からスタートする第2回も、出演者は入れ替えつつも、同じ会場を回る、同じスタイルのバスツアーになる。そこで前回に引き続き、第1回の様子を振り返りながら、このツアーの楽しさをレポートしたい。
40%がライブハウスに初めてきた人
―― 宮古は、カウンターアクションが出来る前はライブハウスがなかったわけで、アゴアニキがまず会場を見て「お客さんがすごく若い」と言っていました。
武井 今回多かったのが「初めてライブハウスに来ました」という人でしたね。3公演通じて「ライブハウス初めて率」は40%くらい。今回のツアーには、東京や他の街から来ている人もいたはずなので、地元の人に絞るとライブハウス初めて率のパーセンテージはもっと上がるかもしれないです。
―― タカハシヨウくんは「初めてライブハウスに来た皆さん、これが普通のライブです」と、さかんにギャグにしていましたね。
武井 確かにおっさん率は低かった。ツアーは水木金で平日だったし、普通に仕事をしていると来れないというのもあるし。それに移動が大変だったと思いますよ。電車の本数も少ないし、本来運行している路線がなかったりして。特に宮古から大船渡、大船渡から石巻という移動が思いのほか大変だった。
―― 大船渡へのアクセスは大変だったと思うんですが、当日は子供たちが「なにやってるのー」とか言って覗きに来たりなんかして。
武井 お祭りが来たような感じなんだろうね。
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