シャープは、Windows 8.1を搭載した10.1型タブレット「Mebius Pad」を開発したと発表した。2014年1月以降に発売する(関連記事)。同製品は、10月1日から千葉市の幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2013」で参考展示される。
Mebius Padは、CPUにコードネームBay Trailとして知られる「Atom Z3770」を採用。アスペクト比16:10の10.1型IGZO液晶ディスプレイを搭載。解像度はWQXGA(2560×1600ドット)を実現。クラス最高となる画素密度約300ppiを達成している。静電容量式タッチパネルを搭載、専用タッチペンを付属している。
IPX5/7準拠の防水、IPX5X準拠の防塵をサポートし、厳しい利用環境でも対応できるほか、盗難・紛失時の遠隔データ消去サービスが利用できることから、セキュリティ面でも強化しているという。
Windows 8.1搭載モデルと、Windows 8.1 Pro搭載モデルを用意。Windows 8.1搭載モデルは、「Office Home and Business 2013」を搭載している。
なお、現時点ではバッテリー駆動時間などは未定。価格やスペック、外形寸法や重量などの詳細は、11月中にも発表することになるが、「高価格帯のビジネス向けタブレットという位置づけになる」とした。
従来タブレットでは完結しない、潜在的な不満に応える
シャープ ビジネスソリューション事業推進本部NB事業推進センター・笛田進吾チーフは、「ビジネス向けタブレット市場では、セキュリティの強化や、従来資産の活用という点で、Windowsに対する期待が高い。特に業務利用では、携帯性/作業性/拡張性といった点で、これまでのタブレットでは完結しない潜在的な不満が存在しており、それらの解決が求められている。Mebius Padは、一日の様々な業務シーンに1台で対応できるデバイス。対面業務やフィールドワーク、教育現場、研究/開発などの領域での利用を想定している」とした。今後、個人のビジネス用途を想定した提案のほか、ソリューションを組み合わせた販売を進めていくことになる」と語る。
同社では、IGZO搭載の7型タブレット端末として「SH-08E」を発売。IGZO搭載5型タブレット端末では「SHL22」を発売している。今回のMebius Padは、「10型におけるIGZO液晶搭載の自社ブランド製品として、BYODおよびBtoB市場への展開を図る」という。
また、「Mebius Padには3つの特徴がある」とし、「IGZO液晶を搭載することで、印刷品質に迫る高解像度によって作業の効率化を実現できること、LTEの内蔵化により、いつでもどこでも高速通信が可能となる点に加え、新世代のプラットフォームとして、薄型、防水、防塵を実現。ビジネスニーズに応える端末の創出が可能になった」としている。
さらに、「LTE対応では、NTTドコモのXiに対応。また、16:10のアスペクト比としたのは、書類の閲覧に最適化させるため」としている。
拡張クレードルを標準添付しており、さらにエレコムなどのサードパーティーがMebius Padに対応したキーボードカバーを製品化する。
復活ではなく、新たな用途提案を進めるブランド「Mebius」
今回の製品で、Mebiusという同社のかつてのPCブランドを復活させたのも注目される点だ。
笛田チーフは、「Mebiusのブランドの製品は、2009年10月に発売したMebius NJ-80B以来のものとなる。Mebiusは、長年親しんでもらったブランドであり、市場の認知率が高く、好感をもってもらっているブランドであることから採用した。PC分野への再参入というよりも、新たな用途提案を進めていく製品」と位置づけた。