LGA 1150のローエンドがPentium
CeleronはLGA 1155向けに絞る
一方のPentium向けであるが、こちらは2コア/3次キャッシュ3MBにGT1というローエンド製品のみで構成され、LGA 1150プラットフォームのローエンド向け、というポジションで決定したようだ。
ではCeleronはどうなるのだろう。こちらは逆に、当面LGA 1150に移る公算がなくなった模様だ。逆に言えば、既存のLGA 1155向けのプロセッサー提供はCeleronのみに絞っていきたい、というのがインテルの目算のようだ。
6月にはSandy BridgeベースのG470なども追加されたが、これは低価格向け(37ドル)という位置づけ。Ivy Bridgeベースの製品はいずれも40ドル以上(42ドル)で、9月に追加された「Celeron G1630」は52ドルと、Celeronにしてはやや高価な位置付けになっている。ただこのG470については、後述するBay Trail-Dが投入されるまでの低価格向けのつなぎ、という意味合いが強いだろう。
PentiumとCeleronは
Bay Trail-Dベースに刷新
さてその低価格向けだが、前回の最後に解説した通り、Bay Trail-Dベースの製品がPentiumおよびCeleronとして投入されることになる。
Bay Trail-Dの特徴は、従来IOHなどで提供してきたI/Oすべて統合していることで、CPU単体としては当初はやや高価になるようだが、チップセットと組み合わせた価格では、既存のCeleron+チップセットよりも安価になるように設定されるようだ。
加えて、マザーボード上の実装面積が減る分、原価削減も期待できる。消費電力も10Wと小さく、ヒートシンクやクーラーもそれほど性能の高くない安価なもので済むため、低コストが要求される市場には最適である。
ただこの結果としてCeleronの市場をこれで完全に置き換えるのか、あるいは後追いでLGA 1150のプラットフォームを投入するのかは、インテル内部でもまだ決まってないようだ。このあたりはBay Trail-Dを投入後の動向を見ながらなのであろう。
ちなみにPentium向けのJ2850は4コア構成であるが、Celeron向けはJ1750が2.4GHzの2コア、J1850が2GHz駆動の4コアとなっている。このJ1750であるが、少なくとも今の時点ではBay Trail-Dはすべて4コア製品で、ここから2コア無効化することで製品を分けている模様だ。これに伴い、Atomブランド製品のデスクトップ向けの投入は完全に終了した。
LGA 2011向けに
Ivy Bridge-Eが発売
話が前後するが、HaswellベースのCore i3/Pentiumからやや遅れて、Ivy Bridge-EベースのCore i7 ExtremeやCore i7も投入された(関連記事)。こちらは既存のX79プラットフォームをそのまま使うことで、一部噂されたX89などの新チップセットなどは投入されないことになった。これに続くものは2014年後半と噂されるHaswell-Eベースで、DDR4メモリーをサポートした新製品ということになるだろう。
2014年はHaswell-RefreshとAirmont
最後に2014年に関するラフな予定を記そう。連載207回で説明した通り、デスクトップ向けにはBroadwellコアは原則提供されず、Haswell-Refreshと呼ばれる22nmプロセスベースの製品が引き続き投入されることになる。
チップセットは更新されるという話であるが、まだ決定はしていない。“原則”というのは、「Core i7-4770R」や「Core i5-4570R」のように、BGAパッケージの製品に関してはBroadwellベースのものが投入される見込みだからである。
またPentium/Celeronの市場では、現在のSilvermontコアベースの製品に加えて、新しくAirmontコアベースの製品も投入予定とされているが、具体的なスケジュールは今のところはっきりしていない。このあたりの詳細は、2014年が近くなったあたりでもう少しクリアになるかもしれない。
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