9月にHaswell11製品を
一挙に追加投入
比較的大きく動いたのが、9月に追加投入された「Core i7-4771」と「Core i5-4440」より下のモデルである。既報の通り、IDF開催直前の9月1日に、Core i3モデルとPentiumモデルを合計11製品、一気に市場投入した。
連載207回で、非常にラフなロードマップを示したが、この時点でデスクトップ向けのバリュー向けがここまでHaswellで代替されることになるのはハッキリしていなかった。
ところが、インテルは多種類のプロセッサーコアを22nm世代で提供することになる。今年8月に開催されたHot Chipsで、インテルはHaswellだけで“最低でも”8種類ものコアを製造していることを明らかにしている。この8種類とは以下の通りである。
- 2Core/3MB L3+GT1
- 2Core/3MB L3+GT2
- 2Core/4MB L3+GT2
- 2Core/3MB L3+GT3
- 2Core/4MB L3+GT3
- 4Core/6MB L3+GT1
- 4Core/8MB L3+GT2
- 4Core/6MB L3+GT3
“最低”というのは、この他にまだ量産に入っていないとはいえHaswell-EPもあるからで、IvyBridge-EPが6/10/12コアの3種類があることを考えると、おそらくHaswell-EPも最低3種類のコアはあると考えて良いだろう。つまりHaswellだけで11種類である。
他にIvyBridgeが2/4コアで2種類、IvyBridge-EPが3種類、さらに後述するBay Trailや、サーバー向けのAvoton/Rangeleyもあるわけで、全部で20種類以上のCPUコアを同時に作り分けないといけない。いささか減らしたい、とインテルが考えるのも無理ないところだろう。
製品ラインナップとしてはCore i3とPentiumがそれぞれ5品種ずつとなっている。なぜかPentiumのG3420Tは当初こそ発売されなかったものの、すぐに追加された。ここでかなり苦しい選択になったのが、Core i3の4130Tと4330Tである。
先ほども触れたとおり「Core i5-4570T」との差別化をしないといけない。一応Turbo Boostの有無(Core i3はTurbo Boost無効)という違いはあるものの、2.9GHz駆動の「Core i3-4130T」はともかく、3GHz駆動の「Core i3-4330T」はほとんどどスペック的に「Core i5-4570T」と違いがない。
GPUにしても、どちらも「Intel HD Graphics 4600」である。苦肉の策がGPU周りの機能削減で、「InTru 3D Technology」や「Intel Insider」、「Intel Wireless Display」、「Intel Clear Video HD」などの機能を削減する形で無理やり差別化した。
このうちInTru 3D Technology、Intel Insider、Intel Clear Video HDはCore i3すべてで未サポートであるが、Intel Wireless Displayはサポートしている製品もあり(Core i3-4140が対応)、こうした付加価値でなんとか価格差(トレイ価格ではCore i5-4570Tが192ドル、Core i3-4330Tは138ドル)を捻り出したという感じだ。
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