四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第129回
「このうま」ツアーは新しい形となるのか
主催が一番楽しい? ニコ動バンドによる「破天荒」なライブツアーが生んだ結果
2013年09月28日 12時00分更新
ポスターとチラシが効いた地元向けの宣伝
―― 出発前にいろいろなパブリシティーを打ったわけですが、効果はありましたか?
武井 どうやったらリーチできるかということで、ラジオスポットはラジオ岩手と、ラジオ石巻(コミュニティーFM)に打ってます。普段、もっと大きい規模のライブでは、ラジオで告知を大々的に打っているようなので、効果あるんだろうと思っていたんですが、今回に関して言えばそうでもなかった。会場でお客さんから返って来たアンケートを見る限り。だから、そこに投入されたコストを考えると……。
―― 費用対効果はよくなかったと。
武井 ちょっとね。新聞の折込チラシで知った人は7%。38%が「ツイッター」経由、ポスターが10%、告知動画が3%、フライヤーが1%。知人からという人が22%。その知人という人が、どういうルートで知ったのかは謎ですが。
―― そしてASCII.jpで知った人は、なんと。
武井 ……ゼロでした。
―― スミマセン! でも、これは面白い結果だと思うんです。カバー率が広いはずの媒体が効いていないところが。
武井 ポスターと折込が効いたかなという感じですね。ポスターは大量に撒いているわけではなく、ライブハウスの人やお客さんに協力してもらって貼っていただきました。特に宮古はカラオケボックスのポスターを見て来たという人が多かったですね。カラオケ曲としてボーカロイド楽曲の認知度は高いので、ある程度は浸透しているんじゃないかと思います。
―― バンドの知名度もそれなりにあったということですか?
武井 前回のポスターの絵柄はアゴアニキに描いてもらったんです。バンドキャラとしてのボーカロイドの絵ですよね。それがフックになった気はします。誰が来る、どんなイベントかは知らなくても、少なくともボーカロイドに関係する何かだなということは気がついてくれたと思います。
―― バスで宮古へ向かっている最中に「チラシを見て子供がこれ何? って言ってる」と、小学生のお母さんから武井さんに電話がかかってきりしましたよね。
武井 その時は「CGを使ったバーチャルライブのようなものではなく、ボーカロイドの曲を作った人たちがバンドで実際に演奏します」という説明をしたんですね。それで翌日来てくれました。お母さん同伴でね。次回はそういうもの(キャラ絵)を使わないとすると、どう気付いてもらえるかは気になるところです。ただ、1回目に来てくれたお客さんの多くは、また観たいと言ってくれているので、早めに告知をすれば、口コミのような形で何とか広がるんじゃないかなと。
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