スナップ写真は連写からベストショットを選ぶ
iPhone 5sのカメラは、800万画素と画素数は同じながらイメージセンサーのサイズが15%広くなり、画質が向上している。f値も2.4から2.2と明るくなった。また、手ぶれ機能も搭載。端末のぶれが一定のレベルを超えると自動的にオンになる仕様だ。従来のiPhoneで撮影した写真と並べると性能の違いは一目瞭然。とはいえ、iPhone 5のカメラもデキがいいので、iPhone 5Sの写真だけ見せても違いがわかりにくい。やはり、新機能のバーストモードの出番だ。
バーストモードでは、撮影時にシャッターボタンを押しっぱなしにすることで、秒間10枚の連続撮影を行なう。そして、その中から、手ぶれの有無、顔の向き、瞬き、笑顔、明晰度などをiPhoneが判断し、ベストショットを選んで提示してくれる。これは普段から使いたい機能だが、多人数のスナップショットを撮るときに得に役立つ。これまでは、「もう1枚行きますよー」というところを、一気に数十枚撮影し、ベストショットを選べるのだ。これは、ハイパワーなCPUを搭載する今後のスマホでブームになりそう。もちろん、任意の写真を選んで保存することもできる。
ちなみに、レンズは明るくなっているものの、ISO感度は3200から2500に落ちているので、暗所の撮影性能は同等。しかし、その分暗いところでの写真でノイズが軽減されている。
スローモーション機能で動画撮影の機会が倍増
動画機能で面白いのがスローモーション撮影だ。秒間120コマで撮影し、再生時は秒間30コマなので4分の1の速度で楽しめる。スロー部分は任意に設定できるので、通常部分は普通に再生できる。このあたりの操作も直感的に行なえるので、人気が出そう。動画の撮影チャンスが増えることは間違いないだろう。
飛び跳ねているところを撮ると、スローの効果がわかりやすい。スポーツしている人や走っているクルマを撮ると面白いだろう。特にクルマは映画のような効果になる。ゴルフのスイングやクラッカーを鳴らすといったアクションだと、速すぎてiPhone 5sのスローでも一瞬で終わってしまう。秒間15コマ再生で8分の1の速度で再生できる機能があるとよかった。また、カクテルをシェイクするところを撮ったのだが、室内だとやや画面が暗くなる。明るい場所のほうが綺麗に撮れそうだ。
スローモーションの撮影可能時間は公開されていない。自分で試してくれとのことなので、試してみるとずっと撮影している。とりあえず、6分間回してみたが問題なし。ストレージに余裕がある限り撮影できそうだ。ただし、連続撮影していると、端末がものすごく熱くなる。CPUがフル回転しているのだろう。A7チップ搭載のiPhone 5Sのみの機能で、A6搭載のiPhone 5やiPhone 5cでは非対応なのも頷ける。
カバーの質感は高いが付けるかどうかお好みで
iPhone 5sとiPhone 5cには純正の専用ケースが用意されている。iPhone 5s用ケースは本革を使った6色カラー、iPhone 5c用はシリコン性のこちらも6色が用意されている。
iPhone 5sのケースはレザーとはいえ、しっかりした作りで完璧にフィットする。マイクやスピーカーの場所に開いている穴も高速なドリルで処理したもので、質感は高い。5cのケースは穴がたくさん開いており、カラフルなボディーも見せることができる。こちらも手触りは上々だ。価格はiPhone 5s用が4080円、iPhone 5c用が3080円となっている。
筆者はケースに入れないでiPhone 5を使っていたが、特に問題なし。iPhone 5sも裸で運用しようと思っている。iPhone 5cは独特なデザインなので一目でわかるが、iPhone 5sをケースに入れると違いがわからなくなる。とはいえ、将来中古ショップに売るつもりだったり、一筋の傷も許せない、というのならケースを付けるしかない。純正品はさすがにデキがいいので、一緒に購入してもいいだろう。
iPhone 5sはまだ品薄の状態が続いている。いち早く手に入れて、自慢して頂きたい。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。
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