目玉機能はやはりWi-Fi経由での映像入力だろう。ケーブルをつなぐわずらわしさがないだけでなく、ケーブルを持ち歩く必要がないのも大きな魅力。PCだけでなく、タブレットやスマートフォンと連携できる点もメリットだ。もちろん、HDMI経由での有線入力も可能。規格としては、ワイヤレス映像伝送技術「ワイヤレスディスプレイ(WiDi)/Miracast」に対応している。両規格に対応したPCやスマートフォンを所有しているなら、ワイヤレスで手軽に映像を投写できるぞ。
2GBのメモリーを内蔵し、SDスロットをそなえる点もうれしい。M900HDにコンテンツを直接保存すれば、単体でもプレゼンテーションを実施できる。
色味や使い勝手は? 実際に投写してみた
接続してみよう。今回は11型のUltrabookから、Wi-Fi経由で接続・試用した。
立ち上げると、設定画面が投写され、M900HDがアクセスポイントとして検出可能に。「M900HD Wireless Mobile」といった無線LANが出現するので、PCから接続しよう。続いて、投写画面に記載されているIPアドレスにブラウザーからアクセス。メニュー最上部の「ダウンロード」から専用接続ツールをダウンロードしよう。
ツールを立ち上げると「Access Code」を要求されるので、入力する。(Access Codeは、IPアドレス同様投写画面に表示されている4ケタの数字)これで接続は完了。Bluetooth機器のペアリングにも似た手順で、ユニークだ。
早速投写し、ピントを合わせる。ピント合わせは、レンズ周りに配置されたピント調節リングを利用するアナログな方式。ソフトウェアでレンズを制御し、ボタンによってピントを合わせるタイプのプロジェクターに比べると、直感的に、かつなめらかに調整できるため、かなり使い勝手がいい。
本体上部のボタンで投写映像の歪みを調整する。歪み調節機能も、細かく、かつ正確。ある程度平らな置き台やテーブルがあれば、ほぼ正確な長方形で投写できるはずだ。ボタンも押しやすく、操作性は上々!
肝心の映像も鮮明だ。多少青みがかってはいるものの、色合いも自然で悪くない。明るさも900lmと文句なしのスペック。また、光源にLEDを採用している点にも注目したい。寿命の長さ(本機は公称3万時間)に加えて、起動が著しく速いのもLED光源プロジェクターの特徴だ。個体差もあるかもしれないが、今回試用した製品は、電源を入れてから10秒も待たずに投写を開始できた。大切なクライアントを待たせることなくプレゼンテーションを開始できるだろう。
公称で80型までの投写に対応するが、今回は場所の都合上40型程度で投写している。細かい文字までくっきりとシャープに映るので、まさにプレゼンテーション向き。なお、投写のON/OFF、歪み・音量の調整などはPCだけでなく、リモコンからも操作できる。M900HDから少し離れた場所に座って、クライアントに説明しながら利用する場合などに便利そう。
専用ケースの付属も嬉しい。クッション製のある素材で、リモコンやケーブルを収納するファスナー式ポケットをそなえたケースは使い勝手がいい。持ち運んで使うことを第一に考えたオプションだと感じた。
直販価格は8万9980円。同一クラスの他社製プロジェクターに比べて少々値は張るが、サイズに似つかわしくないパワフルさ、快適な操作性、高い機動性と、値段に見合った性能を持つプロジェクターだ。「機動性も機能性も犠牲にしたくない!」と、機器選びに妥協を許さない人もきっと気に入るはず。
主なスペック | |
---|---|
解像度 | 1280×800ピクセル |
コントラスト比 | 最大1万:1 |
投写レンズ | 単焦点、F 1.5 |
投写距離/画面サイズ | 0.91〜2.4mm/30〜80型 |
インターフェース/カードスロット/ メモリー |
HDMI端子、USB端子、 3.5mmステレオミニプラグ、SDカードスロット、 2GBフラッシュメモリー内蔵 |
光源 | LED |
寸法/重量 | 約幅232×奥行き164×高さ43mm/約1.59kg |
価格 | 8万9980円 |