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前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” 第26回

iPhone 5s/5c戦略を知ったかぶる

2013年10月04日 09時00分更新

文● 前田知洋

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 前回に書いた「iOS 7フラットデザインを知ったかぶる」が意外に好評だったので、調子にのって新しいiPhone 5s/5cについても知ったかぶってみます。知ったかぶるなら、正しく知ったかぶるのが大切。「iPhoneって、どうなの?」って、聞かれたときに「う~ん、好みかなぁ…」なんて、交際相手を家族に紹介するみたいな返事をしていないでしょうか…。

知ったかぶり その1
AppleのライバルはApple
じつは、Appleは他社とスペックを競ってない

 よく「最新スマートフォンの比較」記事をIT系メディアで見かけます。画面は○インチで……ピクセル、バッテリー容量は……で待機時間は……みたいな内容です。たしかに、スペックと呼ばれる数値は、ユーザーにはわかりやすそうな指標かもしれませんし、販売員や記者には説明しやすい指標です。しかし、ちょっとしたヘビーユーザーならご存知のように、スマートフォンは、普段どんな使い方をしているかで画面のサイズによる便利さやバッテリーの持ちは千差万別、人それぞれです。

CPUの処理速度の比較も「自社製品がライバル」を表している

 企業にとっては、他社とのスペック競争に参入すると、追っかけっこで体力を消耗する上、「他社よりスペックが高ければいい」というデザイナー不在、ユーザー不在の製品になりがちです。「スペックのデフレ・スパイラル」とでもいうのでしょうか。それは、一昔前のノート型PCの戦国時代のカオスを再び眺めているような錯覚を覚えるほどです。

 そんな中、iPhone 5s/5cの「AppleのライバルはApple」と言わんばかりの戦略は、他製品とのスペック競争ではなく、新機能の投入。その意図がずっとわかりやすくなります。サファイア・ガラスとセンサーを組み合わせた新しい指紋認証や、1秒に10枚連写、瞬時に写真を合成して手ブレを補整、ビデオの120fpsのスロー再生、といった機能は、ユーザーへの「新しい経験の提供」といえます。CPU、iOSのカーネル、ライブラリーなどの64bit化という、デベロッパーのギークたちへの好奇心やマーケティングもAppleは忘れていません。

ユーザーによるベンチマークでも前モデルより1.6~2.2倍の早さになっている。おそらく、一番興味を引くのはユーザーよりもデベロッパー

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