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最新ハイエンドオーディオ、本当のところ 第5回

LUXMANの4兄弟「L-590AX」「L-507uX」「L-550AX」「L-505uX」を比較試聴

最高のプリメインアンプを求め、LUXMANの試聴室を訪問した (4/8)

2013年09月30日 11時00分更新

文● 編集部

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●L-505uX ~ 基準になる音

 4機種の比較試聴となるが、やはり基準は必要だ。今回はL-505uXを基準に置いてみた。下は3~4万円程度からある国産の単品オーディオ機器だが、20万円クラスの製品は中堅機種という位置づけで、競合製品も非常に多い。本格的なオーディオ機器をさまざまなメーカーの中から選びたい層なら、このクラスを想定するユーザーが多いだろうし、実際満足度の高い体験が得られるはず。

 L-505uXはAB級100W(8Ω)クラスのオーソドックスな機種であり、4機種の中では唯一シャンペンゴールドの色も選べる。他社のプレーヤーとコーディネートしやすいという点でも魅力がある。音質面でもニュートラルで、低域から高域までバランスよく表現してくれる印象だ。LUXMANのプリメインアンプ(特にAB級のアンプ)は個人的に、ベースなど低域の押し出し感があり、充実した中低域の表現に魅力があると感じていた。しかし、本機は中域から高域にかけての透明感、きめ細かさに魅力があり、ちょうど女性ボーカルが担当する領域の、滑らかさや艶やかさを存分に感じ取れた。

 これは最新のLUXMANの機器に共通する特徴のようだ。いたずらに高解像度やHi-Fi性能を追求していくというキャラクターではないが、音楽の肝をしっかりと押さえ、本質的なところは外さず示してくれる。

 三角帽子の表現も油絵のように写実的。明瞭かつ克明にひとつひとつの音が丁寧に描かれる。組み合わせたスピーカーはB&Wの802 Diamondで、組み合わせる機器の性能にシビアに反応する難しい面も持つが、L-505uXは実力の高さを示した。セッティングを追い込んで、音の差を出すように作っていくような専用の試聴室でなく、生活の場に音楽を自然になじませるような音楽の聴き方で、オールマイティーなソースを幅広く聴きながら、Hi-Fiオーディオの世界に足を踏み入れたいというのであればL-505uXが最適だろう。

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