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最新ハイエンドオーディオ、本当のところ 第5回

LUXMANの4兄弟「L-590AX」「L-507uX」「L-550AX」「L-505uX」を比較試聴

最高のプリメインアンプを求め、LUXMANの試聴室を訪問した (2/8)

2013年09月30日 11時00分更新

文● 編集部

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独断と偏見で、自分にあったアンプ選び

 取り上げる「L-590AX」「L-507uX」「L-550AX」「L-505uX」を簡単に見ていこう。

LUXMANのプリメインアンプ
製品名 L-590AX L-507uX L-550AX L-505uX
価格 55万6500円 45万1500円 34万6500円 24万9900円
発売時期 2010年10月 2012年8月 2011年2月 2011年11月
駆動方式 純A級 AB級 純A級 AB級
実効出力 30W+30W(8Ω)
60W+60W(4Ω)
110W+110W(8Ω)
220W+220W(4Ω)
20W+20W(8Ω)
40W+40W(4Ω)
100W+100W(8Ω)
150W+150W(4Ω)

 LUXMANのラインアップにはこれ以外にも、セパレート型などとも呼ばれる電流増幅部分(パワーアンプ)と、音量調節や入力切替機能、バッファーアンプなどを備えた部分(コントロールアンプ)を別々にした上級機種がある。また回路にトランジスターではなく真空管を用いた「真空管アンプ」なども存在する。

試聴した4モデル。上から順に「L-590AX」「L-507uX」「L-550AX」「L-505uX」

 とはいえ、冒頭で述べたようなデザイン、扱いやすさを含めた機能、そして入手性などトータルで考えて、スタンダードと言えるのが型番に「L-500番台」を冠した上記の4機種だ。フロント部分に設けられた針式パワーメーター。ブラスターホワイトの質感の高い筐体。そしてしっかりと物量が投入された重厚感ある構成など、LUXMANらしさを感じさせる特徴が盛り込まれている。

 4モデルは大きく、純A級動作とAB級動作の2種類に分けられる。詳しい説明は省くが、純A級動作のアンプは歪みが少なく音がいいとされるが、電力効率が低く(消費電力が高く、発熱も多い)、最大出力も上げにくい。一方、B級動作のアンプは電力効率が高く、最大出力の面でも有利だが、低出力時に歪みが生じやすい。両者のいいとこどりをして低出力ではA級動作、高出力ではB級動作をするのがAB級動作となる。

 市場に出回っている製品ではAB級動作のものが主流だが、高品位で独特のよさがあるということで純A級動作のアンプを好むユーザーも多い。ちなみにA級動作は最大出力が低いとは言っても、一般的な家庭の室内でスピーカーと組み合わせる場合であれば数ワットの出力でも十分な音量が取れるので、実用上は問題がない。

 最大出力が高いアンプは余裕を持った電力を供給できるため、スピーカーの駆動力が高いといった風に説明されることも多いが、アンプの目的はあくまでも「スピーカーの振動板をソースに忠実に動かし、スピーカーのよさを引き出す」という点にある。最大出力の単純な比較だけで音質を語ることはできない。やはり実際の音を聴いて、自分に最適なものを選ぶべきだろう。

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