
今回のことば
「マイクロソフトの真似ではない。シマンテック4.0という、きちんとした戦略の上で投入したもの」
(シマンテック・河村浩明社長)
仮想マシンにも対応した、バックアップ用アプライアンス
シマンテックは、中堅中小企業向けデータ保護製品「Symantec Backup Exec 3600」の国内販売を10月1日から開始する。
Symantec Backup Exec 3600は、「Symantec Backup Exec 2012」を搭載。中堅、中小企業に最適なバックアップアプライアンスと位置づける。
「中小企業においては、バックアップを取らなければどんな問題が起こるかがわからない、あるいはどんなサイジングにすればいいのかがわらかないという問題を抱えている。Symantec Backup Exec 3600は、IT管理者がいない中小規模の企業でも仮想マシン、物理マシンを保護でき、データの重複排除を統合した初のオールインワン型バックアップハードウェア」(シマンテックの河村浩明社長)とする。
シマンテック独自のV-Rayテクノロジーを組み込むことで、仮想バックアップと物理バックアップを一元化することで、VMWareやHyper-Vと、これらが稼働する物理ホストのおけるシングルパスのバックアップを可能とした。これにより、仮想マシンやアプリケーション、データベース、ファイル、フォルダなどのリカバリが数秒で行える。
追加された仮想マシンを自動的にバックアップ対象に追加する「ダイナミックインクルージョン機能」を搭載。仮想マシンの数に比例して増大する運用負荷を削減することができるという。
また、複雑な導入前の準備作業である「サイジング」を不要にすることから、オプション選択の手間などを考慮せずに導入できるという特徴を持つ。
無料のビルトインディザスタリカバリ機能を提供。重複排除とアーカイビングテクノロジーとの統合によって、より多くのデータを保護し、バックアップのパフォーマンスを向上できるという。
中堅規模の企業がターゲット
Symantec Backup Exec 3600のターゲットとなるのは、仮想マシンの物理サーバーを3~5台、仮想マシンを30~50台有しているような中小規模の企業だ。
「仮想環境でのバックアップが低コストで実現できる。1Uでクールなデザイン。売れないはずがないと考えている」と、シマンテック コマーシャル営業統括本部・関屋剛常務執行役員は自信をみせる。
ソフトバンクBB、ダイワボウ情報システム、ネットワールドの3社のディストリビュータを通じて、全国のシステムインテグレータを通じて中小企業を対象に販売していくことになる。
「国内バックアップアプライアンス市場は、毎年1.5倍のペースで成長しており、2012年には約90億円の市場規模に達した。シマンテックは、日本でも、いよいよこの市場に参入することになる。販売目標は、短期間で10%のシェアを取ること」と宣言する。

この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ