このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

業界人の《ことば》から 第57回

クラウドとアプライアンスの二軸に焦点絞るシマンテック

なぜいまごろ、バックアップ用のアプライアンスなのか

2013年09月18日 09時00分更新

文● 大河原克行

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

今回のことば

「マイクロソフトの真似ではない。シマンテック4.0という、きちんとした戦略の上で投入したもの」

(シマンテック・河村浩明社長)

仮想マシンにも対応した、バックアップ用アプライアンス

 シマンテックは、中堅中小企業向けデータ保護製品「Symantec Backup Exec 3600」の国内販売を10月1日から開始する。

 Symantec Backup Exec 3600は、「Symantec Backup Exec 2012」を搭載。中堅、中小企業に最適なバックアップアプライアンスと位置づける。

Symantec Backup Exec 3600

 「中小企業においては、バックアップを取らなければどんな問題が起こるかがわからない、あるいはどんなサイジングにすればいいのかがわらかないという問題を抱えている。Symantec Backup Exec 3600は、IT管理者がいない中小規模の企業でも仮想マシン、物理マシンを保護でき、データの重複排除を統合した初のオールインワン型バックアップハードウェア」(シマンテックの河村浩明社長)とする。

 シマンテック独自のV-Rayテクノロジーを組み込むことで、仮想バックアップと物理バックアップを一元化することで、VMWareやHyper-Vと、これらが稼働する物理ホストのおけるシングルパスのバックアップを可能とした。これにより、仮想マシンやアプリケーション、データベース、ファイル、フォルダなどのリカバリが数秒で行える。

解説スライド

 追加された仮想マシンを自動的にバックアップ対象に追加する「ダイナミックインクルージョン機能」を搭載。仮想マシンの数に比例して増大する運用負荷を削減することができるという。

 また、複雑な導入前の準備作業である「サイジング」を不要にすることから、オプション選択の手間などを考慮せずに導入できるという特徴を持つ。

 無料のビルトインディザスタリカバリ機能を提供。重複排除とアーカイビングテクノロジーとの統合によって、より多くのデータを保護し、バックアップのパフォーマンスを向上できるという。

中堅規模の企業がターゲット

 Symantec Backup Exec 3600のターゲットとなるのは、仮想マシンの物理サーバーを3~5台、仮想マシンを30~50台有しているような中小規模の企業だ。

 「仮想環境でのバックアップが低コストで実現できる。1Uでクールなデザイン。売れないはずがないと考えている」と、シマンテック コマーシャル営業統括本部・関屋剛常務執行役員は自信をみせる。

 ソフトバンクBB、ダイワボウ情報システム、ネットワールドの3社のディストリビュータを通じて、全国のシステムインテグレータを通じて中小企業を対象に販売していくことになる。

 「国内バックアップアプライアンス市場は、毎年1.5倍のペースで成長しており、2012年には約90億円の市場規模に達した。シマンテックは、日本でも、いよいよこの市場に参入することになる。販売目標は、短期間で10%のシェアを取ること」と宣言する。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ