SandyBridge-EPより
約30%性能が向上
ここからは性能に関する情報である。まず最初が、性能/消費電力比をまとめたものだ。
比較に利用されているのは「インテル社内のベンチマーク」ということであるが、以下の結果が示されている。
- アイドル時の消費電力が低減されている。
- TDP 95WのSandyBridge-E製品とTDP 70WのIvyBridge-E製品がほぼ同等の性能で、33%の消費電力削減。
- TDP 95WのSandyBridge-E製品とIvyBridge-E製品同士を比較すると、25%性能アップしており、9%の消費電力減になっている。
- TDP 95WのSandyBridge-E 10コア製品とTDP 130WのIvyBridge-E 12コア製品を比較すると、28%性能アップだが60%の消費電力増。
要するに、同程度の処理性能でよければかなり低消費電力で、同程度の消費電力でよければかなり高性能になるということで、これはデスクトップ向けのSandyBridgeとIvyBridgeを比較した場合と同じである。さらに、がんばって上まで引っ張ると急に性能/消費電力比が悪化する、というあたりも同じといえよう。
次は標準的なベンチマークをみてみよう。SandyBridge-Eベースの「Xeon E5-2660」とIvyBridge-Eベースの「E5-2660v2」、さらにNehalemベースの「Xeon X5570」やWestmereベースの「Xeon X5680」まで引っ張り出しての性能ベンチである。
左がSPECint_rate_baseというCPUの絶対性能比較であるが、SandyBridge-EPとIvyBridge-EPの比較では、同じ動作周波数/TDPであっても8コア→10コア構成とできることで性能の改善が見られる。
もっとも8コア→10コアでは単に12.5%の増加でしかないのに、性能が最大33%改善、というのはTurbo Modeの効き方が異なるためと思われる。
IvyBridge-EPは10コアであっても、8コアのSandyBridge-EPよりもよりTurboが効いている結果として、トータル性能がより高いと理解すべきだろう。
これは右のSPECpower_ssjという、JAVAをベースにしたサーバー向けの性能/消費電力比測定ベンチマークの結果からも明らかで、ここでIvyBridge-EPがSandyBridge-EPに比べて28%効率がよいことが示されている。
こうしたコアの特性の違いの結果として、もう少しサーバー向けのベンチマークでは、30%前後の性能改善を実現しているという指標が示されている。ただ下の画像を見るとやや恣意的というか、誤解を生じさせそうな比較結果ではある。
その他のベンチマーク結果としては、OLTP/SAP-SDの結果が、上の結果と同じ構成で示されており、やはり30%ほどの性能向上があるとされる。
ビッグデータ向けのHadoopに関しては、このプレゼンテーション提示時点ではまだ測定中ということで未公開だった。次がHPC(High Performance Computing)向けで、やはりこちらも平均30%ほどの性能改善がなされていることがわかる。
ここまではベンチマークソフトを利用しての比較だったが、ここからは実際の業務向けアプリケーションを利用しての結果であるが、やはり全般として30%前後の性能改善を実現したとしている。
実のところ、SandyBridgeとIvyBridgeの時と同じように、基本的には「やや上まで動作周波数を上げやすく、かつ発熱が少ない」のがほぼ唯一の違いと言ってよく、インテルとしても性能差を示すという形でしか差を見せられないわけで、こうした性能比較グラフだけが大量に出てくることになる。
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