ノキア買収は、日本にどんな影響をもたらすか
では、マイクロソフトによるノキア買収は、日本の市場にどんな影響をもたらすのか。
ノキアは、2008年に日本の市場から撤退した経緯がある。そのため、日本市場への参入があるとすれば、一から体制を組み上げなくてはならない。
その準備に一定の時間がかかるのは事実だろう。だが見方を変えれば、現地法人同士の統合作業や、Nokia ShopとMicrosoft Storeとの統廃合などの作業がなく、「調整」といえる取り組みは皆無だ。その点では、しがらみがなく参入に向けた準備が進められるともいえよう。
今後、マイクロソフトでは、スマートフォン事業において「NOKIA」ブランドは使わず、ノキアのスマートフォンのブランドである「Lumia」を使うことになるため、ブランド変更に伴う作業も日本では不要だ。
最大の期待は、Windows Phoneの日本上陸
そして、最大の期待は、Windows Phoneの日本上陸だ。
現時点では、Windows Phone 8搭載のスマートフォンは国内では販売されていない。
その背景には、日本のメーカーがWindows Phone 8搭載デバイスを開発できる環境が整っていない点が挙げられる。Windows Phone 8を開発しているのは、ノキアのほか、ファーウェイ、HTC、サムスンの4社だけ。いずれも大きな規模で事業を行なっているメーカーで、日本のメーカーとの規模は歴然であり、開発体制の差が大きい。また、これらメーカーは、日本でWindows Phone 8を展開するための体制が整いきっていない点でも共通する。それが、日本でのWindows Phone 8の投入が見送られている要因のひとつといえるのだ。
いずれにしろ、ノキア買収の影響で、日本において、Windows Phone発売に向けた「近道」ができたのは確かだ。
Windows Phone 8を待っているユーザーにとって、朗報につながるといいのだが。
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