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同時に4Gbps対応のハイエンドアプライアンス、三輪信雄氏の日本CTO就任も発表

ファイア・アイ、標的型攻撃対策を支援する「Oculus」発表

2013年09月13日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ファイア・アイは9月12日、標的型攻撃/APT攻撃対策のための包括的なセキュリティサービス「Oculus(オキュラス)」、および脅威対策アプライアンスのハイエンドモデル「FireEye NX 10000」を国内で発表した。また、日本法人ではCTO(最高技術責任者)の就任も発表している。

標的型攻撃に高度なインテリジェンスで対抗!「Oculus」

 Oculusは、FireEye脅威対策アプライアンスを導入する顧客に対し、世界中で収集された脅威/攻撃のリアルタイムな情報、24時間365日のサポート、専門的なセキュリティコンサルティングなどを提供する、サイバー攻撃対策のための包括的な“プラットフォーム”。複数のサービスがラインアップされており、顧客のニーズに合わせて選択ができる。

 情報提供サービス「Dynamic Threat Intelligence(DTI)」では、世界中のFireEyeアプライアンスから収集された詳細な脅威情報を解析し、攻撃者の攻撃パターンを明確にする。さらに現在および過去の標的型攻撃を、技術的な特徴や標的の種類、業種、地域別に分類して提供することで、顧客のセキュリティ対策を支援する。

 またサポートおよびサービス分野では、24時間体制のサポートを提供するほか、高度なセキュリティ人材が不足していることを受けて、ファイア・アイから独自の知見を提供するサービス「Continuous Protection」をラインアップしている。このサービスでは、たとえば自社セキュリティ対策を同業他社と比較し、リスク評価を継続的に実施したり、攻撃検知時の防御やレポートなどが含まれる。

 発表会に出席した米ファイア・アイの製品担当上級バイス・プレジデント、マニッシュ・グプタ(Manish Gupta)氏は、ファイア・アイ製品はグローバルで1000社/組織以上に導入されているが、多くの顧客から、脅威に関する情報分析や対策を行うための「リソース」が足りないとの声が上がっているとして、そこを補完するためにOculusを発表したと説明した。

米ファイア・アイの製品担当上級バイス・プレジデント、マニッシュ・グプタ氏。「世界では年間100億ドルのセキュリティ投資が行われているが、顧客を守り切れていない」と古いモデルのセキュリティ対策を批判した

 またファイア・アイ日本法人代表の茂木正之氏によると、コンサルティングを含むOculusのようなサービスは、日本でも顧客に強く求められていたという。今後はファイア・アイ自身で人材確保を進めるとともに、高度な知見を持つパートナーとの連携も強化していくと方針を述べた。

スループット4Gbpsのハイエンド機「FireEye NX 10000」

 NX 10000は、企業や組織のインターネットゲートウェイに設置する、2Uサイズの脅威対策アプライアンス。10GbE(ギガビットEthernet)ポートを2つ備え、最大4Gbpsのスループットまたは4万ユーザーに対応する。

NX 10000はスループット最大4Gbpsのハイエンドアプライアンス

 同アプライアンスは既存製品の「Web MPS」シリーズと同様に、「Multi-Vector Virtual Execution(MVX)エンジン」を利用してトラフィックを“全数検査”し、不正なWebページ経由の攻撃や、マルウェア感染した社内PCからのコールバック通信を検知、ブロックする。また、クラウドベースの脅威情報共有サービス「FireEye Dynamic Threat Intelligence(DTI)」にも対応している。

 なお、ファイア・アイ日本法人は同日、CTOとして三輪信雄氏の就任を発表した。今後、日本において技術ラボを率いることになる。発表会に出席した三輪氏は、日本市場では特にSIerの存在が大きいことから「SIer向けの支援プログラムの早期立ち上げが必要だ」と語った。また、きめ細かな対応を必要とする日本の顧客に対し、世界から収集される脅威や攻撃の情報をいち早く伝えられる体制を構築していきたいと抱負を述べた。

日本法人のCTOに就任した三輪信雄氏。1995年より情報セキュリティ事業に携わり、これまでにラックの代表取締役社長、S&Jコンサルティング代表取締役社長、政府CIO補佐官(総務省担当)などを歴任

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